cannondale F400 本塗り

cannondale11 先日色の作成と下地作業が完了したので早速本塗り遂行としました。良く脱脂したらエアーブローをして本塗り開始です。

cannondale12また先日作成しておいたデータからカッティングプロッターを利用してマスキングシートを作成します。

各ロゴの位置は予め作成しておいたイメージイラストを見ながら方向と位置に気をつけて貼っていきます。

cannondale13 貼る位置などに気を遣うように思いますが、実際に一番気を使っているのは「被塗物に触れない」と言う事だったりします。信じられないかも知れませんがこれらのシートを貼っている時に被塗面には一切触れていません(ただ慣れれば結構普通に出来るようになります)。

こういった塗装は自動車の「補修塗装」とは違うのでこれだけで育っていたら多分そんなところに気を遣ってはいなかったと思いますが、自動車の補修塗装は非常に細かいところの問題を指摘され、さらにそれが数年先の経過まで問われて来るので下地の段階での作業には凄く気を遣うようになりました。お陰で一日の内に手を洗う回数が異様に増えた気がします。

cannondale14 ちょっと途中工程の画像を省いてしまいましたが、無事ロゴ入れ塗装完了です。本当はフレーム全体に養生紙を覆って塗っていますので。

cannondale15 続けてクリアーを塗布します。今の時期は気温の差が激しいので一番難しい時期ですかね。クリアー自体はその性質によって変更したりしますが、それに入れる「硬化剤」と「シンナー」は状況によって使い分けます。硬化剤は4種類、シンナーも4種類あるので単純に考えると1つのクリアーでも16種類の組み合わせが可能となるのです。

といっても実は一番揮発の早いシンナーと、反応速度の一番遅い硬化剤を組み合わせたりする事は絶対にないので(むしろこれは問題です)、大体は8種類くらいの組み合わせになるかと思います。さらにその時期、その日に悩むのはせいぜい3種類の組み合わせ程度ですかね。

ちなみに今回の組み合わせとしては、クリスタルクリアー+ハードナー15-30、シンナーは25-35になります。小物塗装であれば自動車車体塗装に比べて比較的早目の設定で大丈夫なのですが、自転車フレームはクリアーの繋がりが難しいのでその他の小物製品に比べれば少し遅めの設定ですかね。ブース内の雰囲気温度は確か30℃くらいだったと思います。

cannondale16 フレームが上下逆なのでロゴも反対になっています。うっかりしていると間違えそうで怖いです・・・。

cannondale17 フォークです。これだけ見てもVブレーキ用の台座があったとは誰も気付かないと重います。

cannondale18元のデザインは如何にもMTBといったカラーリングでしたが、今回の配色だとお洒落なシティバイクな感じで全然変わりましたかね。今日いらっしゃった自転車屋さんの店長さんもこれを見て気に入られたようで「艶消し」から「艶有り」に変更したくらいです(笑)。

ちなみに上の画像はクリアー塗り終わって数分の状態ですので勿論磨き処理はしていません。ロゴの段差は殆ど判らない程に仕上がっているのが判ると思いますが、それでも段差が無いとは言えません。時々「塗り分けした部分の段差は判らない程に仕上がりますか?」と聞かれますが、塗装屋からの見解としては「段差はあります」としか言えないのです。何卒ご理解頂ければ・・・幸いです。

それでは完成しましたらまた紹介させて頂きますね。今週のお渡しは厳しいので来週早々になるかと存じます。もう少々お待ち下さいませ!