cannondale F400 塗装 完成

f400大変お待たせしました!先週塗り終わっていたキャノンデールのフレームとフォークは本日完成~お渡し可能となります。

f4001 f4003目立つ方の赤いロゴはダウンチューブ下部への配置となったのでかなり落ち着いた感じになりました。きっとこれが狙い通りなんでしょうね。

f4002フォークはサスペンション部分を非分解のままでの塗装となりましたが全く違和感は無いかと存じます。

今回はフレーム、フォーク両方にあったVブレーキ土台のカットもご依頼頂きましたが、それらが有ったとは言われても判らない仕上がりに出来ていると思います。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度もご贔屓頂き有難う御座いました!

 

cannondale F400 本塗り

cannondale11 先日色の作成と下地作業が完了したので早速本塗り遂行としました。良く脱脂したらエアーブローをして本塗り開始です。

cannondale12また先日作成しておいたデータからカッティングプロッターを利用してマスキングシートを作成します。

各ロゴの位置は予め作成しておいたイメージイラストを見ながら方向と位置に気をつけて貼っていきます。

cannondale13 貼る位置などに気を遣うように思いますが、実際に一番気を使っているのは「被塗物に触れない」と言う事だったりします。信じられないかも知れませんがこれらのシートを貼っている時に被塗面には一切触れていません(ただ慣れれば結構普通に出来るようになります)。

こういった塗装は自動車の「補修塗装」とは違うのでこれだけで育っていたら多分そんなところに気を遣ってはいなかったと思いますが、自動車の補修塗装は非常に細かいところの問題を指摘され、さらにそれが数年先の経過まで問われて来るので下地の段階での作業には凄く気を遣うようになりました。お陰で一日の内に手を洗う回数が異様に増えた気がします。

cannondale14 ちょっと途中工程の画像を省いてしまいましたが、無事ロゴ入れ塗装完了です。本当はフレーム全体に養生紙を覆って塗っていますので。

cannondale15 続けてクリアーを塗布します。今の時期は気温の差が激しいので一番難しい時期ですかね。クリアー自体はその性質によって変更したりしますが、それに入れる「硬化剤」と「シンナー」は状況によって使い分けます。硬化剤は4種類、シンナーも4種類あるので単純に考えると1つのクリアーでも16種類の組み合わせが可能となるのです。

といっても実は一番揮発の早いシンナーと、反応速度の一番遅い硬化剤を組み合わせたりする事は絶対にないので(むしろこれは問題です)、大体は8種類くらいの組み合わせになるかと思います。さらにその時期、その日に悩むのはせいぜい3種類の組み合わせ程度ですかね。

ちなみに今回の組み合わせとしては、クリスタルクリアー+ハードナー15-30、シンナーは25-35になります。小物塗装であれば自動車車体塗装に比べて比較的早目の設定で大丈夫なのですが、自転車フレームはクリアーの繋がりが難しいのでその他の小物製品に比べれば少し遅めの設定ですかね。ブース内の雰囲気温度は確か30℃くらいだったと思います。

cannondale16 フレームが上下逆なのでロゴも反対になっています。うっかりしていると間違えそうで怖いです・・・。

cannondale17 フォークです。これだけ見てもVブレーキ用の台座があったとは誰も気付かないと重います。

cannondale18元のデザインは如何にもMTBといったカラーリングでしたが、今回の配色だとお洒落なシティバイクな感じで全然変わりましたかね。今日いらっしゃった自転車屋さんの店長さんもこれを見て気に入られたようで「艶消し」から「艶有り」に変更したくらいです(笑)。

ちなみに上の画像はクリアー塗り終わって数分の状態ですので勿論磨き処理はしていません。ロゴの段差は殆ど判らない程に仕上がっているのが判ると思いますが、それでも段差が無いとは言えません。時々「塗り分けした部分の段差は判らない程に仕上がりますか?」と聞かれますが、塗装屋からの見解としては「段差はあります」としか言えないのです。何卒ご理解頂ければ・・・幸いです。

それでは完成しましたらまた紹介させて頂きますね。今週のお渡しは厳しいので来週早々になるかと存じます。もう少々お待ち下さいませ!

CANNONDALE F400 下準備

cannondale6 溶剤層に浸け置きしておいたアルミフレームです。途中出してはスクレーパーで擦ってまた浸け置きしてを繰り返して殆どの旧塗膜は取れました。

この後全体にダブルアクションサンダー#120でアルミ素地表面を研磨し、細部についてはサンドブラストで処理する事になります。

cannondale7 ブラストボックスの中です。蓋を閉めたらガラス越しにフレームを見ながら作業をしていきます。

cannondale8 プライマーを塗る前に撮影をしておくのを忘れてしまったようです。失礼しました・・・。

フォークは先週塗っておいたサフェーサーを研磨してあります。フレームはサフェーサーは塗らず、表面を軽く研磨したらそのまま本塗りとなります。

cannondale9 そして続けて色も作成しておきます。

今回はグレーをベースに「cannondale」の大きなロゴを赤でダウンチューブの下に入れます。どうせなので以前紹介したイメージイラスト紹介しておきますね。

cannondalef400イラストと実際の色では色味が違いますが、本来の色は下の色見本帳の方になりますのでイラストの色は余り気にしないで下さい。

cannondale10白い棒が指している色が今回オーナー様が選ばれた色です。使った色としては4色で、

・白・・・60%

・黒・・・20%

・オーカー・・・15%

・ブラウン5%

といった感じですかね。使っている原色は白系では基本的な構成で、STANDOXではMIX570・571・574・567ですが、DUPONTで言うとAM1・5・81・84といった所でしょうか。これにグリーンまたは青をで白系の調色はほぼカバー出来ます。時々レモンイエロー系も使っていたりしますかね。ちなみに白の調色は一番簡単そうで実は一番難しいです(私的見解ですが実際そう思ってます)。

それではタイミングが来ましたら本塗りに入りたいと思います。ただこちらはちょっと後ですかね。先に色々やる事が詰まっておりまして・・・。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

キャノンデール フォークサフェ入れ

cannondalef4004上の画像はGW連休前に行った作業です。Vブレーキの土台部分をカットした時の状態ですね。

フォーク上部にはショックが付いていて、自転車屋さんではこれ以上分解してくれなかったとの事なので今回はこのままで作業する事になっています。なので溶剤漬け置きは出来ませんのでフレームとは別の作業方法にしています。

cannondale4カットしたブレーキ土台部分を均し、クリアーの下に貼ってあったデカールや傷などを除去し、サフェーサーを塗る準備をします。これは昨日紹介したその他の部品と一緒に作業しています。

cannondale5という事で、3コート程度サフェーサーを塗ったら完了です。この後強制乾燥(60℃40分以上)させて完全硬化させる訳ですが、その場合もこれ単体で行ったりはせずにその他の部品と一緒に焼いたりします。または一旦保管しておいて本塗りが終わった時に一緒に参加させるような感じですかね。上手い事立ち回れば電気消費量も抑えられるのです。「放置していればいつかは固まるでしょ」って言っている人の仕事ほど、エッジマッピング(パテ痩せに見える問題)が出ていたりしますので(まあ人の事ですのでどうでも良いのですが)。

cannondaleF400 イメージイラスト

cannondalef400

パソコンを使った業務なら自宅でも出来るので、必要なデータだけ現場で計測しておいて休みのうちにゆっくり作業していました。

ベースカラーはグレーでの艶有りで、ロゴは赤と白の二種類となっています。各ロゴの配置(向き)・色など、ご希望通りになっているかご確認頂ければと思います。不都合がありましたらお気軽にご連絡下さい。

イメージイラストの作成はやはりある程度の時間は掛かってしまいますが、次に同じ型のフレームが来た時は使い回しが出来るのでそんなに無駄では無いんですよね。何よりパっと見て完成のイメージが湧きますから作業する側も意外と楽しいですし、ミスも少なくなると思います。まさかこれを見ながら作業しておいて違う仕上がりになるとは考えられませんので。いつか人を雇う時が来たらさらにこれが役に立つと思います。

ちなみに今後人を雇う事は無いと思いますが、「独立支援」と言う形ではあるかも知れません。塗装の全てを教えるとなると正直今の小物塗装では無理がありますが(自動車塗装と比べてそんな余裕は無いのです)、例えば「自転車フレーム塗装」だけに限れば1年~2年くらいあれば覚えられるかも知れないと思う所はあります。基礎とか応用とかは無視する事になりますが、むしろ「自転車を塗る為だけの塗装屋」と言うことで作業内容をシステム化してしまい、極短期間で塗装を習得する事も可能だと思います。

ただし自転車を塗るだけじゃ到底独立は難しいので(正直厳しいです)、自転車整備のショップを経営しつつ「ついでに塗装もやる」といった感じですかね。自転車の販売&整備に塗装まで出来れば安心感は違うかと思います。

言っても塗装はそんな簡単に出来るものでもありませんから(設備的にも技術的にも・・・)、やるとしたら先日社外記でも紹介したような「間借り」といった方法と上手く組み合わせる必要はあるかもですね。親が自動車塗装工場を経営していたりしたらチャンスかも知れません(居ませんか・・・)。