ロードスターヘッドカバー 完成

road24 大変お待たせしました!移転前としてはこれが最後の結晶塗装ですかね。既にアルカリ洗浄槽も剥離用溶剤槽も塗料も撤去してしまいまして、新たに設置準備するのはまだ当分先ですから新たな塗装にはもう少し時間が掛かると思います。ただ大掛かりな下地処理が必要無い塗装であれば比較的早めに出来ると思いますのでまずはメガネフレームから始めていきたいと思います。その他にも色々とお待たせしてしまっておりますから工場の準備と並行して順次始めていきますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ。

road25 ご依頼内容としては結晶塗装の黒で、定番ではありますが無骨な所で未だ人気のカラーでもあります。シンプルですがそこが格好良いんでしょうね。

元々ロードスターのヘッドカバーはアルミ素地がそのまま露出した未塗装部品ですから、購入時は綺麗でもその後どんどんと艶は無くなり終いには腐食してしまいます。「塗装した方が良い」とは無理に申し上げませんが何かしらの対処をしておいた方が宜しいかとは思います。ワックスを丹念に塗るとか、曇って酸化した表面はピカールでこまめに磨いてあげるとかですかね。自分でプライマーを塗ってシルバーを塗るだけでも全然違いますので気になる方はお試し下さい(ただし再塗装の際には剥離作業費が必要になってしまいますが・・・)。

road23近くで見た結晶目はこんな感じで、良く見ると判るように結晶塗装は「艶消し」という訳では無いんですよね。ただこの模様によって艶が無いように見えるのだと思います。

実はこの結晶目は色々な条件により変わりまして、当店の結晶塗装は比較的この結晶目をはっきり表現するように意識して仕上げています。ただしこれは結晶塗装の経験者なら判ると思いますが塗り込む量はかなり多くなり、それを全体的に均一な膜厚に仕上げるのは結構難しいと思います。さらに「タレ」のリスクは高くなり、これにより塗り直しになるケースが未だに何回かに一回はあるのです。安全マージンを考えるともっと抑えた塗り方の方が間違いが無いのは判っているのですがそれだと自家塗装で行う結晶塗装と大差が無くなってしまいますので、お金を頂く以上はこの辺で差をつけておかないとなりませんかね(苦笑)。

road26今回のような凹み文字の場合は面研によってアルミ素地を光らせたりは出来ませんが、これはこれで良いと思います。私的には(商売になりませんが)この凹み文字は嫌いでは無いのですよ。ただいつかこの凹みに色を付けた樹脂を流し込んでみたいなんて企みもあるんですけどね(そう思ってもう何年も経ちますが・・・)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠にありがとう御座いました!