アテンザスイッチパネル 下地処理

atenza15 こちらもお待たせしました!マツダアテンザのウィンドウスイッチパネル4点、作業着手しておりますので御安心下さいませ。

御依頼頂いているのは「艶々のブラック」と言う事ですのでまずは平滑な下地を造る事となります。素材表面はザラザラとした梨地で、ただし素材はPP(ポリプロプレン)なので切削性は非常に悪いですから(逆を言えば傷が付き難く割れ難いと言う利点があります)、「削り落とす」と言うよりは下地塗料(2液ウレタンサフェーサー)を充填して平滑にするといった作業ですね。

atenza16 梨地の利点としては「素地の粗を目立たなくする」という事があり、これをそのまま艶有り仕上げにするとそういった粗が目立つようになってきます。気にしていないと素通りしてしまいがちな事ですがこの辺を処理出来るかどうかで最終的な仕上がりに繋がっていくと思います。

atenza17 軽く表面を削ってみるとさらに凸凹なのが判ります。二個前の画像を見て頂くと判ると思いますが、こういったパーツは裏側に「骨」があって、これが成型時?に引っ張ってしまうか何かで表面に窪みやら出っ張りが出来てしまうのです。それを誤魔化す為に梨地にしている訳ですね。素地の悪い鋳造製品(ヘッドカバー)を比較的手間を掛けずに綺麗に見せる「結晶塗装」と同じ効果です。

atenza18 という事で全体的に#240~#320で研磨して下準備完了です。良く脱脂清掃したら下塗りを行います。

atenza19満遍なくプラスチックプライマーを塗布したら続けてサフェーサーを塗布します。かなり艶が出ていますが2液ウレタンサフェであればこれくらいは普通です。ただし1コート辺りの膜厚は結構付きますから一気に塗り重ねると塗膜中に溶剤が篭ってしまい、場合によっては巨大なブリスター(膨れ)が生じてしまいます。1コート塗ったら20分くらい放置して自然に艶が消えるのを待ち、これを大体5コートくらいは塗りますので塗り初めてから終わるまでは1時間くらい掛けてます。ちなみに熱を入れながらならフラッシュオフタイム(コート間の待ち時間)は短縮出来ますがそんなに急ぐ必要は無いので大抵は他の事をやりながら思い出したら塗る、みたいな感じでやっています。塗膜の溶剤は自然に抜いた方が良いんですよ(DUPONTの塗膜永久保証の講習ではエアーブローすらしちゃ駄目だと習いましたので)。

という事で、サフェーサーが完全硬化したらそれを研いでいよいよ本塗りとなります。少し寝かしますので予定としては来週ですかね。もう少々お待ち下さいませ!