スイフトスポーツ用カーボンフロントグリル 本塗り

swift30大変お待たせしました! 先日下地処理を終えていたスイフトスポーツ用の社外品カーボンフロントグリルは無事クリスタルクリアーで本塗り完了しておりますのでご安心下さいませ。最終は#1200水研ぎ仕上げとなっています。

swift31 ちなみに最近気温が上がって来ましたのでそれに伴って使用する塗料材料も変更しています。

主材となるクリアーは今回は「クリスタルクリアー」を使っていますのでこれは通年変わりありませんが、硬化剤とシンナーはそれぞれ4種類程度の設定があるので気温や塗装面積、作業内容(最速仕様など)によって変えます。スタンドックスの場合はそれぞれの商品名が「温度」となっているのでとても判り易く、この時の硬化剤は「15℃~30℃)の物を、シンナーは「15℃~25℃」の物を使用しています。ただしこれが広い面積、たとえば車体側面などの場合はシンナーを「25℃~35℃」のように揮発の遅い物に変更して対応したりします。

swift32画像は塗り終わったばかりの状態で、完全硬化後もこのままの姿であるのが理想なのですが、やり方を間違えたり塗料材料が良くなかったりするとそうならない場合もあります。

イメージ的にはシンナーを多く入れば肌が伸びるような感じがしますがこれは全く逆でして、むしろシンナーは少ない方が綺麗に仕上がります。肌を伸ばすのは先ほど紹介した硬化剤やシンナーの種類を変更で対応するのが基本で、シンナーを多くすると乾燥硬化後の「艶引け」が起こるので宜しくありません。と言っても最近の塗料でそんな事をする人も居ないと思いますけどね。

ただ気温が上がって来て、先ほど紹介したような「揮発速度の遅いタイプの物」に変更した場合は塗装が終わってからの溶剤揮発速度も遅くなりますから、塗膜中に溶剤分が残っている内に熱を入れてしまうとそれが塗膜から抜けていく過程ではやはり艶引けを起こします(と言っても普通に感じられないレベルの場合もありますが)。

なので私的に実践している事としては「塗ったその日には熱を入れない」ということで、指触乾燥するまではブースは回しっぱなしにして(塗装後1時間~2時間くらい)、その日は時間的に余裕があっても熱は入れずそのままにしておきます。そうすれば塗膜中の溶剤は一晩掛けてゆっくり抜けていくので塗膜の表面を荒らす事もありません。ブース焼きで初期乾燥と本乾燥の二段階で出来る仕様も勿論知っていますが、やはりそれでも避けられない所があるのです。ただ他に塗装屋さんが居る場合でそんな悠長な事をしていたらちょっとヒンシュクでしょうけどね。

今回のご依頼も含め【お任せ仕上げコース】の場合は磨き作業はしませんが、「磨かなくて良い」=「仕上がりが悪くても仕方ない」と言うことでもありませんので、塗りっぱなしの状態で綺麗に仕上げる必要があるのです。これがまた結構なプレッシャーだったりするんですけどね。全然楽が出来ません(苦笑)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。カーボン(&グラスファイバー)製品なので熱は控えめにしたいですから発送まではいつもより長めに寝かさせて頂ければと思います。予定としては来週半ば~末くらいになる予定です。もう少々お待ち下さいませ!