2年前にお納めしたレガシィの内装パーツ一式で、当時行った作業内容を一連の流れにしてまとめて紹介したいと思います。
実はこちらは既に加工が施されたパーツ達で、純正部品の上に本物のカーボン繊維が貼られた状態になっています。既にかなりの費用が費やされている訳ですが、どうにもその仕上がりが気に入らないとの事で、今回これらを「艶々の黒」にと御依頼頂く事になりました。
気に入らなかったのはこの「ヘビのウロコの様な模様」で、一般的なFRP製品の様に予め作製した型にカーボン繊維と樹脂を塗った作り方では無く、パーツの上に繊維を貼って樹脂で固めているので繊維の目がそのまま残ってしまっているのです。ちょっとペーパーを当ててみると上の画像のようにかなりの段差があるのが判ると思います。まあこう言うのが好きな方も居ると思うのでこの辺は好みの問題ですけどね。
カーボン繊維の段差は単にペーパーで削るだけでは平滑には成らないのでペーパーは当て板を使ってしっかり研ぎ落とします。艶有りの黒だとちょっとした段差も凄く目立ちますしね。
エアコンパネルは付属品を剥がしておきます。「TEMP」のシールは(確か)イルミネーションランプが透過するタイプなので綺麗に剥がして再利用するようにします。
エアコン噴出し口のパネルには開閉ダイヤルの上下に「○」と「●」のプリントが施されているのでそれも再現します。
使うのはいつものドライプリンターですが、こちらはまだ旧型のタイプを自宅で使っていた頃ですね。この頃はこのプリンターについての情報が無かったので良く判らないまま購入しましたが、この後ステップアップして今のプリンターになりました。願わくば新型が出てくれたりして欲しいのですが・・・。
そしてこんな感じで白いマークのデカールが完成です。これを切り取って台紙から剝がし被塗物に貼ります。
なんとステアリングにもカーボンが貼ってありました。塗る範囲は少ないですが下地作業の研ぎも行っていますしマスキングがこんな感じですからこれならハンドル丸々塗った方が簡単なのが判りますよね。
これを塗った時は二年前の3月頃で、この4ヶ月後に今の工場に引っ越したんですよね。
ちなみにパーツの一部は「艶消し黒」で御依頼頂いたので、艶有り黒を塗った後に再度足付け処理をしてマスキングを行います。
そして完成です。ちょっとあり得無い数と言うか光景ですよね。最初のカーボン加工を含めると一体幾ら使ったのだか・・・と言う感じです。
こちらは小物入れボックスだった所にオーナー様自らリモコン?を埋め込んでいて、接着されて外せないのでそのままマスキングで対応しました。かなり自然な感じで仕上げられたと思います。
これらは艶有りの黒を塗った後に艶消し黒を塗った2トーン仕上げのパーツですね。手を掛けただけあって良い感じに仕上がっています。
ハンドルスポークに装着される純正のスイッチパネルは幸いにして分解出来たのでこちらも綺麗に仕上げられました。
ハンドル部分はマスキングでの塗装となりましたが、幸い人工皮革にマスキングテープの付きが良かったので塗装屋さんが見てもマスキングで塗ったとは判らない仕上がりに出来たと思います。
車体の塗装に比べると小物の塗装は面積は小さくなりますが、その分余計に細かい部分にまで目が届くようになるので「楽になる」って訳では無いんですよね。まあかと言って私が嫌いと言う訳では全く無いのですが(笑)。