いつもの業者さんからご依頼頂いたランサー用のブレンボキャリパーです。作業内容掲載のご承諾を頂きましたので一連の流れを施工例として紹介させて頂きます。
元々は赤い塗色なのですが、サーキットなどで走るとあっという間に変色、その後クリアー層が剥がれてきます。
何故かロゴの白い個所のみクリアーが残っていたりするので、ベースカラーとクリアー層とでの密着が悪いようです。恐らくベースを塗った段階で一度ベイクし、そのままクリアーを塗っているのが問題では無いかと思います。
と言う訳で一旦いつものブレーキ屋さんに送って洗浄~サンドブラストの下準備をお願いしました。画像は戻ってきた状態です。
その後細部の調整を行い、セッティングを行って本塗り準備完了です。
車体と固定する部分は以前は塗装しないでそのままだったのですが、アルミ素地が出たままと言うのがちょっと嫌だったので、現在はプライマーとガンメタを極薄膜に塗っておいています。膜厚を付けないようにしているので取り付け上は問題無く、腐食も防げると思います。
色は前回同様、F40のキャリパーから採色した赤をご指定頂きました。
色見本はマグネットになっているのでそのまま計量器まで持って来て配合データを見ながら色を作れるのでとても便利になっています。
配合データはプリントアウトしておいても後から探すのが手間で、じゃあネットで検索~と言うのも結構面倒なので目下これが一番楽で助かっています。
ベースコートを塗布し、元のサイズ通りにbremboのロゴを塗装します。フロントは80mm、リヤは53mmです。
この後熱を掛けて完全硬化させます。使っている塗料は通常の2液ウレタン、STANDOXです。念の為ですが、キャリパー専用塗料と言うのはありません。多分それは商品名かと…。
ロゴはシールでも大丈夫ですが、熱い状態で触るとズレる筈ですので、万が一を考える場合は塗装をお勧めします。
リヤキャリパーのロゴについては先ほども紹介した通り純正は53mmなのですが、サイズ的に少々キツイのでケースバイケースで50mmにする事もあります。
ボルトで固定する個所を塗るのを嫌う方も居ますし(メカニックの方がそうかと)、かといって金属素地剥き出しなのも嫌だと言う方もいらっしゃいますので、どちらの意向も汲んでこの仕様となっています。
ちなみに黒の場合もありますし、今回のようにガンメタの場合もあります。私的にはガンメタの方がブレンボ純正のアルマイト仕様っぽいので基本はこちらになるかと思います。
キャリパー塗装のお問合せは非常に多いのですが、車体に着いた物を塗りたいと言う方が結構いらっしゃいまして、ただ当店は小物塗装専門なので、お受付する場合はキャリパー単体での状態が必須となります。何卒ご理解の程宜しくお願い致します。