CASIO G-Shock Baby-G

gshockG-SHOCKよりも一回り小さい、女性向けカジュアルウォッチのBABY-Gです。完成後、国内外から結構お問合せがありまして、早速施工例として改めて紹介させて頂きます。

gshock2元々透明だった物が経年で黄ばみが出てしまい、ただ愛着があって今後も長く使い続けたいとの事で、以前当店で施工したG-SHOCKの記事を見てお問合せ合わせを頂きました。

gshock3色については渋めのガンメタが良いとの事で、それらしい色を何種類か揃えて発送~お貸出しし、それらの中からこちらのAUDI「austern grau」(カラーコード:LZ7W)を選んで頂きました。

gshock21素材は恐らくポリウレタン系と思われ、下地処理は布状の研磨副資材とスコッチ、ナイロンブラシをウォッシュコンパウンドと併用して使います。

gshock22穴の内側側面などは意外と足(傷)が付きにくいので、小さくカットした布状の研磨副資材を通して一つ一つ丁寧に足付け処理をしていきます。ウェットブラストやバレル処理の設備があればそれでも大丈夫だと思います。

gshock34表面に細かい傷を作る事によって水を弾いていた表面が親水性になり、さらにこの後に塗るプライマーとの投錨効果(アンカー効果)で密着性が得られます。

gshock9また今回の施工に当たっては、以前から当サイトを見て頂いていた方々から色々なアドヴァイスを頂きまして、新たな材料を試したり、実際に塗膜の密着性テストなども行ってからの本塗りとしました。

画像はベルトでは無く人工皮革に塗装を施した物で、こちらのページから詳しい内容もご確認頂けます。

gshock49またその後実際に同じメーカーのBaby-Gのベルトも取り寄せ、同じ環境下でのテスト塗装も行っています。結果はすこぶる良好でした。

gshock23下準備を終え、いよいよ本塗り開始です。

gshock24ベゼルの裏側とベルト止めの内側にはクリアーは塗らず、先にベースコートだけを塗っておきます。

gshock25その後改めて台にセットします。

gshock26ベースコートを塗り、軟化剤を入れたクリアーを塗って本塗り完了です。

gshock27gshock28前回はベルトにはクリアーを塗らなかったのですが、G-SHOCKの塗装を多く手掛けている方から「むしろクリアーを塗った方が塗装が割れ難いのでは?」と言うアドヴァイスを頂き、事前にテストを行った上で今回はクリアーも塗る事にしました。

gshock29裏側も表面と同様に仕上げています。

gshock30クリアーには軟化剤を入れて塗膜に柔軟性を持たせています。

gshock31gshock32gshock42その後何度かの強制乾燥工程を経て完成となります。

gshock43gshock44gshock45gshock46gshock48gshock51 実は発送直前する直前にオーナー様からご連絡があって、「どうせなら全て組み付けておいて欲しい」との事でベルトとベゼルを取り付け、改めて組み付け後の撮影もしておきました。

gshock52 完成した製品を送った後にはオーナー様からご連絡も頂きまして、仕上がりには非常に喜んで頂けたようです。既に装着もしていて何ら問題が無いとのご報告も頂きました。

gshock53 gshock54今回のような塗装を行うとその費用は新品が何個も買えてしまう金額になってはいますが、オーナー様的にはとても思い入れのあった物だったらしく、またどうせなら世界に一つだけの自分仕様にされたいと言う事で今回のご依頼に至りました。

 

完成した物についてはとても気に入られている様子で、こちらとしても良い経験をさせて頂き有り難い限りです。