F50ブレンボキャリパー ロゴデータ作成

先日お預かりしておりましたF50ブレンボキャリパーです。

本作業の前に、色のサンプルを採っておく事にしました。

以前8ポッドの新品キャリパーをお預かりした時に作成した色見本が画面右側の物で、ただ今回のF50のキャリパーで見るとちょっと赤(青)が濃いように感じます。

と言う事で今回新たに見つけたのが左側の見本の色で、以前の右側の色に比べると朱色(黄)が強く明度も少し高くなっています。次回F50のキャリパーで塗装依頼が来たらこちらを採用してみようと思います。尚、今回のF50のキャリパーはイエロー(フェラーリ純正色のGIALLO MODENA)への塗装なのでこちらは関係ありません。

そしてここからが本番で、まず実作業(現場作業)の前にロゴデータを作成します。

元々bremboのロゴがありますが、今回はここをかなり変えます。

サンプルとして頂いた画像がこちらで、これを基に「Ferrari」のロゴを作成、またその下にある文字を「brembo brake system」として新たに作成します。

bremboのフォントについては参考画像を頂いておりまして、それを基にデータを作っていきます。ちなみにこの画像はJPEGで、恐らくこちらのページで紹介している物と同じ物だと思います。

尚、こちらの画像はJPEG(ラスター画像)なので、塗装用のマスキングシートとして使うにはベクトルデータに変換しなければなりません。なのでまずはこれをライブトレースで輪郭を抽出します。

Illustratorを使う方なら判ると思いますが、JPEG画像をベクトルデータに変えるのはそんなに簡単な話ではありません。

元のJPEG画像が畳一畳分くらいあれば小さくした時に誤魔化しは効きますが、今回程のサイズをライブトレースで変換すると上記のようにフニャフニャになってしまう為、ここから微調整が必要となります。

と言っても先ほどのフォントもオリジナルでは無いので、だったらという事で既存のbremboロゴから新たにフォントを作成していきます。

上の画像は「o」の文字に、「b」の縦棒と同じサイズの物を作成して重ねてパス化をすると、

こんな感じに「a」が出来ます。下のフニャフニャライブトレース物を修正するよりは断然こちらの方が早く正確です。

そして「k」も同じような感じで既存の「b」と「m」を利用して、

こんな感じで作っていきます。と言うかこういう作業、もうAIが勝手にやってくれる時代に来ていると思うのですが…。

こちらの「s」については元のフォントが酷過ぎるので、新たに似たようなフォントを見つけて太さやら長さやら隙間やら角度を調整して作りました。

続けてFerrariの文字も完成です。ちょっと判り難いのですが下には基の白いロゴがあって、それに合わせて黄色のロゴが重なっています。

ちなみにキャリパーのロゴは通常のFerrariのロゴと違って太字なのだそうでして、やはりこちらも今回新たに作成しています。簡単そうにやっていますが現場作業が終わってから夜な夜な作業して二日掛かりました…(そもそもこれが専門では無いのでして…)。

と言う訳で取り敢えず基となるベクトルデータが作成出来ましたので、次はこれを実際のキャリパーに合うよう配置やサイズを修正~決めていこうと思います。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!