マセラティリモコンキー×2 サフェ入れ

 先日よりお預りしておりました、大阪の方からの物と、千葉の方からご依頼を頂いておりますマセラティのリモコンキーです。それぞれ区別がつくよう裏側に印をつけてあるので、並行して作業を行います。

 このリモコンキーは成型時の歪が強いので、サフェーサーを塗る前の段階である程度のラインを修正しておきます。

 最初に#120ダブルアクションサンダーである程度均した後、硬い当て板と#120でライン出し、その後柔らかい当て板(スポンジパッド)と#180でアール面を柔らかいラインにし、最後に#240の手研ぎで滑らかにします。

その後エンブレムやボタンの溝、裏側に回り込むフチの部分を#320相当の布製研磨副資材(アシレックススカイ)で足付け処理を行います。とにかくペーパーが当たっていない個所にサフェがつく事は絶対に避けるようにします(後で剥がれてしまいます)。

 よく脱脂清掃し、マスキングを行います。

 2液のウレタンサフェはしっかりと膜厚が着くので、エンブレムが嵌る窪みやゴムボタンが入る溝にサフェが入らないようマスキングを行います。

 またフチはサフェを塗った後にすぐに剥がせるようにもしています。

プラスチックプライマーを塗る前に、ガスプライマーで火炎処理を行っておきます。

ガスプライマーは、樹脂の表面には専用のガスを使って火炎処理を施し、親和力の大きい有機化合物を樹脂の表面にナノレベルで形成してこの後に塗るプラスチックプライマーの密着性を向上させますが、使い方を間違えると諸刃の剣のようになりますので注意が必要です。

先日知り合いの塗装屋さんに聞いた話では、各方面で色々な問題が起きているようですが、そもそもプライマーとサフェーサーの区別がつかない(プラサフしか使わない)方は使用を控えた方が良いかと思います(あと足付け処理はどんな場合でも必須で、塗装の下地に楽な道はありません)。

 そしてサフェーサーを塗布します。

サフェーサーはウェットに6コート程塗るますが、一度に塗ると塗膜中に溶剤が籠ってトラブルを起こすので、コート間の乾燥時間(フラッシュオフタイム)は15分~20分くらい十分に設け、トータルで2時間くらい掛けて行います。

マスキング際には表面張力で塗料が溜まるので、最後のサフェを塗った直後にマスキングを剥がしてフチが馴染むようにします。

この後一日以上は自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて完全硬化させます。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!