AUDIX OM6 Microphone

先日お預りしておりましたAUDIXのマイクです。

こちらは納期指定(短縮)のオプションでご依頼を受けておりまして、既に製品は完成となりましたので、施工例のページとして紹介をさせて頂きます。

 今回は色の見本として、こちらのヘアーアイロンのパーツを一緒に送って頂きました。

基本はピンクパールですが、その中にホログラム(レインボー)の顔料が入っています。

 通常ラメ(=極粗目メタリック)には対応しておりませんが(塗膜が厚いとマイクホルダーに挿した時にグニュっとなってしまう為)、当店で用意している同様の顔料であれば対応可能なので、今回こちらを使用する事にします。

以前テスト的に塗装した色見本用のマイクがあるのでそちらも紹介しますね。 こちらはベースを黒に塗装し、その上に先ほどのホログラム(レインボー)の顔料を重ねています。

画像だと判り難いのですが、光によって色が変化する顔料です。

一緒にお預りしたヘアーアイロンの部品を参考に色を作ります。

左からカラーベース、パールベース、ホログラム用顔料となります。

 今回のピンクは比較的落ち着いた色味で、淡い系の色としては珍しく黒も結構入りました。

カラーベースの上にパールベースを重ね、さらにホログラム顔料をコートしています。本塗り時はさらにクリアーも塗るので、今回は4コート塗装となります。

 マイク本体とグリルボールには艶消し黒が塗装されていて、元々あったAUDIXのロゴはアルミ素地を露出させて表現されている物なので、それを残すとその痕が出てしまいますから、しっかりと削って取り除いておきます。下の方(画像だと上部)にある文字は深いレーザー彫刻なので、こちらはそのまま残ります。

 ただしこのまま上塗りを行うと塗料は密着しませんので、

 プライマーを塗っておきます。

 そしてカラーベースを塗布します。この状態ではパールもホログラムも掛かっていない状態で、比較的落ち着いた感じのピンクなのが判ると思います。「令和」の慶祝カラーみたいな感じでしょうか。

 その上にパールピンク(実際にはほぼホワイトパール)、さらにホログラム顔料を重ねました。これらは塗り方によって色味が変わるので見本と見比べながら、またさらに確認の為、先に色見本(今回はベアブリック)を塗装しながら行っています。

概ね同じ様な色味に出来たと思います。

 そして最後にクリアーを塗りますが、

 ホログラム系の顔料は粒子が大きいので、どうしてもクリアーから突起してしまいます。

画像はまだ1コートしただけなので、この後さらに2コート塗り重ねます。

 クリアーは合計3コート行い、本塗り完了です。お待たせしました!

 ウェットの状態では、ホログラム顔料の突起も無く艶々の状態になっています。

 この後乾燥硬化する過程でホログラム顔料の粒子が突起または艶引けが起こる可能性があるので、その場合は磨き処理を行うか、もしくはもう一回表面を軽く研磨してクリアーコートをして対応します(今回はどちらもしなくて大丈夫でした)。

 画像だと判り難いのですが、ホログラム顔料は光の当たり方によって色味が変わります。

 最初に紹介した時のようにマクロレンズを使えばもっと判り易く写せるのですが、本塗り直後は埃が着くので近よれません。

ですので見本を使って、さらに判り易いようトリミングをしてみました。光に当たった背中がキラキラしているのが判るかと思います。

 その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、さらに数日寝かしたら完成となります。

 心配していたホログラム顔料の突出は問題ありませんでした。画像は磨き処理無しの塗りっ放しの状態です。

 トリミングをしたベアブリックの画像以外は全て縮小サイズのみで未加工・未編集となります。

 ホログラム顔料をもっと塗り重ねればその分派手になりますが、マイクの場合はホルダーに挿す事を想定すると、塗膜の厚塗りはお勧め出来ません。

 こちらはストロボを使った撮影となります。

後日、オーナー様からご感想を頂きましたので以下に紹介をさせて頂きます。


今日ライブで使用しました!色もキラキラ感も想像どおりで本当に嬉しかったです。ライブ中もいつもより楽しく出来て本当に感謝しております!
短納期にも関わらず快く引き受けてくださって本当にありがとうございました!また機会がありましたらよろしくお願い致します。


ライブの日程が決まっているなどの場合には、別途「納期指定」のオプション(有料)をご指定頂ければ短縮も可能です。ただし期間が短い程費用も大きくなりますので、出来るだけ余裕を持ってご依頼を頂ければと思います。