メルセデスベンツM103ヘッドカバー結晶塗装 本塗り

去年の夏頃にお預かりしておりましたメルセデスベンツW124のBRABUSヘッドカバーですが、途中色々とありまして、その後新たにこちらのノーマルのヘッドカバーへと変更になりました。

 いつもはそのままの状態でブラスト屋さんにお願いしていたのですが、現在は旧塗膜は剥離した状態でという事になりましたので、いつものように溶剤槽に浸けてある程度の塗膜を剥がしておきました。

この型のヘッドカバーは裏側にも塗装が施されているので、そちらもある程度剥がしておきます。

 その後ブラスト屋さんに発送し、戻ってきた状態です。

 丁寧に仕上げて頂きました。

尚、洗浄をするとより酸化(腐食)し易くなってしまいので、ブラスト後はエアーブローのみに留めておいて頂いています。イメージとしてはうどんの麺に打ち粉がまぶしてあるような感じでしょうか。

 その後作業のタイミングが来たら全体をシンナーで洗い流すようにして脱脂洗浄を行います。

 裏側も同様に行い、エアーブローをしてしっかり乾燥させます。

 まずはホースパイプ部にプライマーを塗り、続けてベースコートの黒を塗っておきます。

 今回は腐食し易いマグネシウム合金の為、表裏共に耐食性の高い浸透型エポキシプライマーを塗布します。

またスプレーガンでの塗装では奥まった箇所までプライマーが届かないので、そういった部分は筆でしっかり塗りこんでおきます。

一旦熱を掛けて硬化させます。

 続けて表面も同様にエポキシプライマーを塗布します。

 そして結晶塗装の赤を塗布します。

 マグネシウム合金鋳物は特に巣穴が多く、熱を入れている最中にそこがプクッと膨れる為、傍で監視し、膨れた箇所は針を使って虱潰しにしていきます。

画像だとまだチジミきっていない状態で、ここからさらに結晶目が現れて艶が消えていきます。

 120℃~170℃くらいの熱を30分程掛け、塗膜を硬化させたら本塗り完了です。大変お待たせしました!

 今回は凸部のフィン部分は研磨しないよう承っております。

 この後は恒温機でもう一度140℃20分程の熱を掛けます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!