W124メルセデスベンツヘッドカバー 本塗り

先日サーフェサーを塗っているW124メルセデスベンツのインジェクションカバー(プラグカバー)です。こちらとワイパーアームカバーは「アズライトブルー」(カラーコード:366)の艶あり塗装で承っておりますので、ヘッドカバーとは別工程で作業を行っています。

そしてこちらのヘッドカバー本体です。プラグカバーと同様、専門店にてサンドブラストを施工して貰いました。

このヘッドカバーは元々裏側にも塗装が施されていて(マグネシウム合金の場合は保管している間に腐食してしまう為)、今回はそれと同じ様に裏側にもプライマーを塗装します。

作業するまでに腐食が進行しないよう、敢えて洗浄はしないようお願いしていて(エアーブローのみ)、作業前に溶剤槽の上に吊るし、上からシンナーをスプレーガンで吹き付けて洗い流すようにして脱脂清掃しています(そして零れたシンナーは再び剥離作業の為に再利用されます)。

まずは全体に浸透型エポキシプライマーを塗布します。

ただしスプレー塗装だとその特性からして入り組んだ箇所の奥まで塗料が届かない為、

希釈率を上げたプライマーを筆で塗っていきます。

その後もう一度全体にスプレーして刷毛目を均します。

この後60℃20分程熱を掛けて半硬化させ、

ひっくり返して表面の塗装となります。

ネジ部にたっぷり塗ってしまうと山が埋まってしまうので、

希釈率を上げたプライマーを薄くスプレーします。

その後60℃20分程熱を掛けて半硬化させます。

その後ネジ部やオイルシール当たり面をマスキングします。

そして全体にプライマーを塗布します。

同じくこちらもスプレーでは届かない箇所を、筆を使って虱潰しに塗っていきます。

この後再び60℃20分程の熱を掛けて半硬化させておきます。

その間に色を作ります(うっかり濃くし過ぎて捨てる方が多くなってしまいました・・・)。

ヘッドカバーはメルセデスベンツ純正色の「マーブルグレー」(DB7201)に似た色の結晶塗装で承っていますので、色見本を見ながらそれに合わせます。

それを全体に均一な膜厚になるよう且つしっかり塗り込んで本塗り完了です。

本塗り後、120℃~170℃程の熱を40分程掛けると、

結晶目が現れ、無事本塗り完了です。

ここまでは赤外線ヒーターを使っての焼き付けで、この後は恒温機を使って120℃40分程の熱を掛けて二度焼きを行います。

ただこれだけの為にそのエネルギーを使うのは勿体ないので、他に熱を入れる物が出来たら一緒に行います。最初の設定温度を120℃にセットして、その後熱が下がって70℃くらいになった時点で扉を開けて他の物を入れると、その後一時間くらい60℃の熱が掛けられるという寸法です。

プラグカバーの方はこちらのヘッドカバーより数倍下地に時間を掛けていますが、艶ありの塗装は結晶塗装のようなプレッシャーはないので安心です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!