Impreza Steering Switch

スバルインプレッサ用ステアリングスイッチです。

今回は塗装費とは別に「調色費」「艶調整費」が必要となった内容で、「単に塗るだけ」の場合に比べてかなり割高となった一例なのですが、意外とよくあるお問合せでもあるので、改めて施工例として纏めてページを作成しました。

元々車体に着いているのはこの様なガンメタ色のパーツで、これをスイッチ付きタイプに換えようとすると同じ色の設定が無い為、これに合わせて調色を行い、艶具合も調整して塗装を施すといった内容となります。

付属品を分解し、カバーパネルのみの状態にしました。

ボディカラーと違って内装色は配合データが無い為、一からの色の作成となります。

作っては捨ててを繰り返し、ようやく良さそうな顔料を見つけました。

作った色を色板に塗装し、微調整を繰り返します。

良さそうな色が出来たら、

艶を出して確認し、さらに微調整を繰り返します。

出来上がった色にクリアーを塗りますが、今回は「艶調整」 も承っていますので、3種類の半艶クリアーを作成し、

テストピースにそれぞれを塗装します。

艶消し・半艶クリアーは艶ありクリアーと同様2液ウレタン樹脂の為、艶具合を確認するには一旦熱を掛けて完全硬化させる必要があります。かなりの手間が掛かるので費用もその分必要となります。

後日、完全硬化したテストピースです。半艶(艶消し)は平面だと艶が無いように見えて、曲面だと逆に艶があるように見える傾向にある為、それぞれ違うテストピースを作成しています。

それらを見本と見比べます。

今回は1:1の割合で混合して作成した半艶クリアーが丁度良さそうな艶具合となりました。

そして被塗物の足付け処理を行います。ペーパーだと細部に当たらない為、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンド を使って足付け処理を行います。

素地が露出した箇所があるのでプラスチックプライマーを塗布し、

調色したベースコートを塗布します。

そしてテストピースで最も見本に近い艶具合の半艶クリアーを塗布します。

尚、ここでドライコート等の塗り方で艶を変えようとするのは絶対にやってはいけない事で、塗り方自体はしっかりウェットに塗って傷の付き難い塗膜にする必要があります(ドライコートにして肌を荒らすと傷が付き易い塗膜になってしまいます)。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ここでさらに色の微調整を行い、

再び足付け処理を行って、

2回目の塗装を行います。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、見本と並べました。

色味、艶具合もオリジナルに近い感じで出来たと思います。

尚、当店規定の「つや消し」または「半艶」であれば、艶調整の費用は必要ありません(ただし半艶・艶消し仕上げは塗装費の25%程の割増費用が必要となります)。

一般的には艶々に仕上げる方が難しいように感じられますが、実際には艶消し・半艶の方が作業的に難しく、また塗料自体も高いので塗装費用も割高となります。

その他の完成画像はこちらのページでご覧いただけますので宜しければご参照くださいませ。

後日オーナー様からは「写真と同様とても素晴らしい出来映えです。どうもありがとうございました。」とのお言葉を頂戴しました。

この度のご依頼、誠に有難う御座いました!