ROVER MINIテールランプ塗装承ってます

先日到着しておりましたローバーミニ用のルーカス社製テールランプ一式です。こちらのオーナー様は先日同パーツ2セットを濃い目のスモーク塗装でご依頼頂いた方で、今回新たな色で再びご依頼を頂きました。この度もご贔屓頂きありがとうございます!

今回はスモーク塗装では無く透過性の青=ブルーキャンディーカラーでのご依頼となります。

「青?!」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、以前ヘッドライトを透過性の緑でご依頼頂いた事がありますので参考までにそちらを紹介させて頂きます。

当店ではヘッドライトへの塗装はお受付しておりませんが、元々お取引のあったショップさんで、「レースで使うだけなので剥がれる事を前提に」と言う事で塗らせて頂いた物となります。ボディカラーのブリティッシュレーシンググリーンに合わせてのこの色だったのかと思います。

今回もその時と同じような感じで、ボディカラーであるローバー純正色の「タヒチブルー」(カラーコード:JRJ)に似せての青という事で、

当店にある透過性の青の色の中から近い色味(色相)という事で、

こちらのハウスオブカラーのKK-05=コバルトブルーを使用しようと思います。

念のためですが、ハウスオブカラー社のKKシリーズ=「KANDY KONCENTRATES」(キャンディコンセントレート)は、顔料(または染料)単体の物で、これを樹脂(当店の場合だとSTANDOX MIX599)に混ぜてベースコートとして使います。対してUK(ウレタンキャンディ)シリーズは予め樹脂が混ざっているので当店では使用が出来ません。もしどうしても使う必要がある場合は塗装システム自体をハウスオブカラーに準じた仕様で行う必要があります。これと同じような物が「マジョーラ」なる塗料であって、こちらは日本ペイントの塗料として予め樹脂が混ぜられていますから、これを使用する場合は塗装システム自体をニッペの物に合わせる必要があります(具体的にはアドミラですかね)。

塗装システムを無視して施工した場合の一例としては、私が昔アルバイトに行っていた町工場では、ベースコートをDUPONT社製の物にして(センタリ6000)、トップコート(クリアー)をロックペイント社の物(パナロック)で行っていました。理由はコストの低減化で、パナロック10:1のクリアーは熱を掛けずともそのまま磨けて、さらに塗膜がとても柔らかいので磨き作業が超絶楽だった事にあります。例えば現在使っているクリスタルクリアーを使って車のボンネット一枚を磨くのに3時間くらい時間を掛けていましたが、パナロックであれば30分で終わってしまうといった感じです(いずれも硬化時間を入れないでの話です)。これによって会社としてはかなり利益率が上がるのですが、それぞれ性質の違う塗料を使う事で後にクリアー層だけが剥がれるといった大きな問題=層間剝離等のトラブルが発生します。

ただこれらの塗装は、主にオーナーの居ない車体=店頭に並ぶ前の中古車に行われる場合が多いので、施工している側でも問題に気付いていない事が多かったりします(私としてはとても良い勉強とさせて頂きました)。

という事もあって、当店としても「マジョーラ」といったネーミングバリューを使用した塗装を行いたいとは思ってはいてもそれはせず、なのでそれに似た色の顔料を単体で入手し、今回の塗装と同じ様にSTANDOXの樹脂に混ぜて使うようにしていたりします。

コバルトブルー単体で塗った色見本がこちらで、今回のテールレンズもこのような色味になる予定です。現在キャンディーカラー単体での色見本は作っていませんが、あると便利ですね。

赤い反射板の部分は前回と同じくマスキングで、クリアーコートのみ一緒に行う仕様となります。クリアーも同じくクリスタルクリアーへの変更で承っております。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!