BMW i7エンブレム 下塗り

先日お預かりしておりましたBMWi7の純正エンブレム一式です。ボンネット&トランクバッジと、ホイールセンターキャップですね。

全体を軽く#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で研磨し、続けてナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)で足付け処理を行います。文字やラインの部分が凸凹しているのでアシレックスだけだと細部の足付け処理が出来なく、かといって無理にやると既存の塗膜を削って下地を露出させてしまうのでそれぞれを併用しています。

場所を工場二階に移し、マスキング作業を行います。

今回は中央のプロペラマーク部分=扇状の青い箇所と、エンブレム周りのフチをそれぞれイエローへの塗装で承っていますが、全部を一度に塗るのはプレッシャーが高過ぎるので(難易度が高くなるので)、今回はそれぞれを別けて行う事にしました。今回はフチからですね。

青い箇所以外を覆いつくす様にしつつ、無用に新たに塗る色=イエローが食み出ないように注意をしてマスキングを行います。工場二階のこの場所は手元を明るく照らせるので、細かい作業はここで行うようにしています(あと今の時期は寒くて指が上手く動かなくなる為)。

その後それぞれを手で持てるよう芯棒に固定し、よく脱脂清掃&エアーブローで本塗りの準備を行います。

フチの黒い部分はプラスチック素地なので、まずはその部分にプラスチックプライマーを塗布します。

そして最初に下色として白(VWキャンディホワイト)を塗布します。薄く2コートですね。

続けて鮮やかなイエロー、スズキ「チャンピオンイエロー」(カラーコード:ZFT)を塗布します。これ単体では隠ぺい力が弱く、無用に膜厚が大きくなってしまうので、先に白を塗ってこれを低減させます(ベースコートは薄い方が塗膜強度は高くなります)。

イエローで完全隠蔽出来たら、ここで一旦塗り分け箇所のマスキングテープを剥がします。

マスキングは境界線ギリギリに貼っていますが、こうやってみると多少元の青が残っている箇所があるので、この後そういった部分を虱潰しに修正していきます。かなり地味で時間が掛かりますが、こういう事の積み重ねこそが最終的に完成度の高い仕上りに繫がる感じだと思っています。まあ塗装の事が判らない(そこまで気にしない)社長が居たとしてそこで雇われの身だったとすると、確実に仕事が出来ない奴だと思われてしまいますが…。

各部のチェックが終わったらマスキングを剥がします。

現状扇状の部分は水色ですが、最終的にはここも枠と同じイエローにします。

そして最後にクリアーを塗って一回目の本塗り=下塗り完了です。

フチも綺麗に仕上がっていますが、この後再び全体を足付け処理し、もう一度クリアーを塗る事になります。ちょっと勿体ないですが継目が無いので仕方ないですね。

こちらのトランクバッジの外側はこれで終わりでも良いのですが、もう一度クリアーだけ一緒に塗ろうかと思います。

フロントバッジも良い感じに仕上がっていますが、この後もう一度全体を研磨足付け処理→中央プロペラの水色部分を同じイエローに塗って全体にクリアーを塗ります。

ホイールセンターキャップはサイズは小さいですが手間的には変わらないので大変そうです(ここまでの数を塗るのは初めてですので)。

この後60℃40分程の熱を掛けて硬化させ、次は残った扇部分をイエローに塗装します。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!