先日素地調整を行っておいた自転車用HED製20インチ(406)のカーボンホイール です。
通常であればS字フックなどで吊った状態で塗装されるのが一般的ですが、スプレー時に被塗物がフラフラと揺れると正確なスプレーが出来ない事、また地面に対して水平な状態で塗りたいので(塗り肌を平滑にしたいので)、それ用の治具を作ります。以前Y31セドリックのフロントグリルメッシュを塗った時に使った方法ですね。
アングル材と全ネジでホイールをしっかり固定し、台に接触しないよう置けるようにして裏と表を同時に塗れるようにしています。
巣穴が酷かった箇所には構造用エポキシ接着剤(3Mパネルボンド)を充填し、完全硬化後に#180→#240で研いでいます。
こちらはスポークが接触したかでヒビが入っていた箇所ですね。ちなみに今回のホイール、強度自体はリムの方がメインで、カーボン部分は空力を賄っているのだと思います(ディープリムのエアロホイール)。
こちらはビスフェノールA型のエポキシプライマーサーフェサーです。ウレタン系に比べて樹脂自体が強いタイプですね(密着性、強靭性等)。
エポキシプラサフ自体にある程度柔軟性はあるのですが、通常の塗料で使う軟化材という設定が無いので、こちらは1コートのみの薄膜に留めておきます。
続けてサーフェーサーを塗布します。こちらはウレタン系ですね。
最初に塗ったプラサフと違う種類の塗料になりますが、完全硬化させない半生な状態で塗り重ねる事により十分な密着性を保持します。ちなみにエポキシ系はウレタン系より強いのでこの順番が成り立ちますが、逆だとチヂレ等を起こすのでNGです。
ウレタン系サーフェサーには軟化材を入れているので中々指触乾燥せず、また艶のある仕上がりになります。画像は1コート塗り終わった時点なのでやはりまだ巣穴は全然埋まっていません。
通常サーフェサーを塗り重ねる際のコート間の乾燥時間=フラッシュオフタイムは15分程度ですが、軟化材をかなり入れているので今回は30分~60分程開けて塗っています。なのでサフェを塗るだけで半日掛かりです。
丁度この時にスタンドックスのデモマンの方が顔を出してくれたのですが、こちらの作業があるので余りゆっくりと話が出来なかったのがちょっと残念で申し訳ない感じでした。ただどうしても私一人での運営だと現場が優先になってしまうので(誰も代わりが居ないので)仕方ないですかね。
サフェはトータル5コートで、最後の1コートはシンナー希釈を多めに、塗り終わったら直ぐにフチのマスキングテープを剥がしておきます。
薄いカーボンの巣穴は、通常のそれとは違って「底なし」な面もあるので、一度のサフェで完全に塞ぐのは難しく、なので一旦ここまでとして完全硬化させ、この後軟化性のポリエステル系パテ(イサムバンパーパテ)で巣穴を埋め、全体を研いだらもう一度サフェ入れを行うようにします。単に巣穴を埋めるだけならスプレーパテ(スプレーガンで塗るスタンドックスのポリエステルパテ)を塗ればかなり作業時間を短縮できるのですが、これのデメリットが「柔軟性に劣る」=割れやすいので、今回のような極柔らかい被塗面には使えないんですよね。
この後は数日間自然乾燥させ、後日50℃程度で2時間以上の熱を掛けるようにします。ドライカーボンだと思っていたら実はウェットだった!(エポキシでは無く熱に弱いポリエステル系だった!)となると折角塗ったプラサフが熱で剥がれたりブリスターが発生したりするのでそれの予防ですかね。
それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!


