AUDI R8のカーボンパネル 本塗り

本塗り前

ようやくここまで来ました・・・って感じです。まだ終わった訳ではありませんから気は抜けませんが、実は当初はどうなる事かと思っていまして年末年始の休み中も気が気ではありませんでした。危うく逆流性食道炎になる所でしたし・・・(いや、単なる食べ過ぎですかね。笑)。

画像は本塗り前の状態で、塗装の表面には下塗りのクリアーが塗られていて、昨日はこれを研いでライン出しをしています。

 

クリアー素地状態で、クリアーの表面にはモヤモヤと模様状になっているのが解かると思います。これは先日塗ったクリアーを昨日行った研ぎ作業で突き破ってしまった為です。

「おいおい、大丈夫か?」って感じもしますがこれくらいしっかり研ぎ付けないとライン出しの意味がありません。それくらい表面にはまだ歪が残っていたという事です。これを柔らかい当て板(ゴムとかスポンジなど)で行っていたらこうはならないと思いますがそれだけラインは歪んだままでしたからその方が考えると恐ろしいです。

で、ここで注意するのは「ベースクリアー」を使わないことです。塗装屋さんなら解かると思いますが、クリアーの塗装でいきなりそのまま塗ったりする事は余り無いですよね?DUPONTならバランサー(XB165)をシンナーで希釈してベースクリアーとしてまず全体に塗りますし(またはABバインダーとかまだ販売されているんですかね?)、STANDOXなら「ベースコートカラレス」(これは高過ぎじゃ・・・)を下に敷いてからクリアーまたは色を塗り始めるのが普通だと思います。いきなりクリアーじゃ「ハジキ」「タレ」のリスクがどうしても高過ぎますので。

私の場合も普通であればまずベースクリアーを1コートないし2コートは塗っておいて上記のトラブル(と言うかミス)を防止するのが基本ですが、このカーボンパネルの状態でそれを行うと「エッジマッピング」(チヂレの一種)を起こしてしまいます。塗膜が切れている(エッジが露出している)のでこれは当然ですよね。

という事で、こういった場合はちょっと怖いですがいきなりクリアーコートから始めます。なのでハジキには十分注意するように脱脂作業は念入りに念入りに行い、タレ防止の為に最初のクリアーコートは乗せ過ぎないように乗せ過ぎないように注意します(わざと二回繰り返してます。それくらい本番では注意しているって感じです)。

クリアー塗布完了

そして無事クリアーコートが完了です。通常は2コートが基本ですが、タレ・ハジキの防止の為に珍しく最初にドライコートで一回りしてから本塗りとしていますので「2.5コート」って感じですかね。パネルは台の上に直置きに見えますがガムテープの芯などを挟んでフチが宙に浮くような感じにセットしています。

 

クリアー塗装完了

塗り方としては最初は周りのフチから始め、給油口のフチ、そしてフチのエッジを地面から45度くらいの角度で、そして上面を下から上に仕上げていきます。上から下でも良いですが、最初に塗った方がクリアーの馴染みは悪く肌は荒れる傾向になる為、「見せる所を最後に」が本塗りの基本ですので。 ただこれはケースバイケースで、どうしても磨きが必要になる場合は「磨き易い場所を犠牲にして」と言う事もありますかね。1BOXのような大きな車体で屋根の肌を荒らしたりしたら最悪ですので(車高の高い車の屋根の磨きは本当に大変です)。

現場作業だけだからといって単に手を動かすだけではなく、どうしたら最短で一定以上のレベルに行けるかを常に考えるのも必要なのです。時間が余ればその分余裕を持った仕事が出来ますし、より上のレベルに仕上げる為に時間も割けますしね。

と言いつつこの時ついでにシャアザクのプラモに下塗り用としてのクリアーを塗らせて貰っていたりもしますが(笑)。

それでは完成までもう少々お待ち下さいませ!