TOYOTA FT-86(from大分) 本塗り

86ooita続けて大分県からご依頼のFT86テールランプも紹介致します。先ほどの画像に似ていますがあの状態から全て部品が足付け処理が終わったところです。

86 ウィンカー部分のクリアー抜きは以前は右側のイエローのサイズで、その後ユーザー様のご協力により実装した状態でより良い形状へとバージョンアップを果たしました。左側の赤いのがそれで、以前に比べて少し小さくなっています。

86ooita1 本塗りのセッティングを行い、被塗面をよく脱脂したらマスキングシートを水を使って貼ります。水を使うのは微妙な位置合わせの為ですね。シートの位置を合わせるのは内部反射板を目安にしているのでちょっと見る視点が変わるとズレて見えますからかなり微調整が必要なのです。水を使えば何度でも貼り直しは出来ますからこの方法が必須という訳なのです。

86ooita2レッドキャンディーが十分な濃度に達したらマスキングシートを剥がし、レンズの素地が出た部分にはプラスチックプライマーを塗布し、その後全体に薄くスモークを掛けたらクリアーを塗ります。86ooita3レッドキャンディーの場合は通常の塗装に比べて色褪せがし易い事を想定し、使用するクリアーは耐UV性能に優れた「クリスタルクリアー」を使用します。これは勿論STANDOXのラインナップにある製品の名称で私が勝手に付けた訳ではありません。どのメーカーもクリアーが一種類と言う事は無く、品質の良い物からコストパフォーマンスに優れた(要は安い)物までかなりの数が揃えられています。「ビール」と言っても同じメーカーから何種類も出ているように、クリアーやサフェーサーなどの下地塗料も一つのメーカーで色々と販売しているんですよね。

クリアーの性能は大抵は値段と比例して高くなっていき、ただ使う側としては良いクリアー=使い易いと言う訳では無かったりします。良いクリアーは傷が付き難い耐擦り傷性の場合が殆どなのでその分磨き作業が大変で、また使い勝手も非常にデリケートな物が多いのです。

それもあって材料自体の値段では無く、「作業時間の短縮」の為に敢えて磨き易いクリアー(柔らかくて傷が付き易いクリアー)を選んだりもする訳です。まあ余り良い話ではありませんが、安さを求める消費者が居る以上この選択も間違いでは無くなるんですよね。

ちなみに私が昔アルバイトをしに行っていた町工場では「うちはDUPONTだから!」と言って使っていたクリアーはパナロック(10:1)でした(酷)。一度塗った車両が戻ってくるとフロント回りは激しい飛び石被害だったり(塗装間の密着性が悪い為です)、ひどい場合はクリアーだけがペリペリと剥がれたりしたらしいです。当然私も悪の片棒を担いだ訳ですが、まあそれがその会社のやり方だったので仕方は無いと思います。一アルバイターの私が口を挟む事では無いと思いましたので・・・(ただし車には可愛そうな事をしましたが)。

それではこちらも完成次第あらためて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!