TOYOTA FT86テールランプ塗装 ほぼ完成

ft8619 先日本塗りを終えたレンズ関係の塗装は磨き処理も終えほぼ完成となります。ただしまだ塗膜が締まりきっていないので梱包出来るのは明日か明後日といった所ですかね。

2液のウレタン系塗装は大抵は60℃40分くらいで「完全硬化」となります。中には15分で磨き可能(=出庫可能)と言う促進硬化的なクリアーもありますが、大抵はレベリングが悪かったり、表面乾燥が早いので塗り重ねたクリアーが繋がり難く肌が荒れてしまう傾向にあるので私的には好みません。と言うか急ぐ必要が無いので使う意味は無いんですよ。そうしたく無いから独立した訳ですし・・・。

ft8620 仕事である以上は時間や材料費などに制限があるのは当然ですが(それが無いのはアーティストと呼ばれる方だけかと)、雇われている場合ではどうしても自分が思っている以上に切り詰めなければならないケースは多々あり、その中で最善を尽くすと言うのも当然ですが、それでも難しい事はあると思います。

自動車の塗装業界を例にすると、「昔よりも顧客の目が肥えたのに修理代は低くなる一方」といった傾向にあるような気がしまして、これは実費修理だけでは無く保険修理にも言える事かと思います。昔は外車の側面事故をフル板金&塗装して工賃100万円なんて時代もありましたが、メーカーの指数(工賃の指針)通りにやってもそんな金額出ませんよね(特にBMWとか・・・)。厚かった鋼板は薄くてムラのある超高張力鋼板に変わり非常に叩き難くなったのにも関わらず(と言うか叩いては駄目でしょう)、それで当時よりも工賃を削られてしまったら、それ以上良い仕事をしたいと思っても難しい気がします。あとはもう自己犠牲でがんばるしか無いんじゃと・・・。

ft8621ちなみに私が勤めていた最初の会社では途中から現場作業専用のタイムカードが設置され、全ての作業が分刻みで管理される事になりました(外資系らしい考えです)。作業が遅れれば当然罵られるのですが、逆に早くやれば奨励金みたいなのがありますし、それ以上に自分の成績がちゃんと数字に現れると言う事で導入された時は結構嬉しくそれなりにがんばりました。

が、確かにスピードは速くなりまたがそれで出て来た結果は「タカハタサンは雑デスネ」と言うレッテルでして(苦。アメリカ人の上司からの言葉です)、確かに仕事は速かったですが、仕事の内容は酷かったと思います。

という事でそれからは色々と悔い改めまして、一応なんとか塗装を続けられるようにはなりました。それなりにやりたかったスタイルと言うか理想に近く出来ていると思います。

以前の車体を扱っている時はそれなりに売り上げはありましたが、働いている人数の割りには工場が広過ぎて月々の固定経費が膨大になり、本来であれば3~5人くらいを雇ってさらに仕事量を増やすべきだったのですがそれに将来性は感じられず、そもそも私に人を雇う能力なんて皆目ゼロですからそんな事はあり得なかったんですよね。

という事で随分と話が逸れてしまいましたが、実はちょっと前に間借りしている相方から「梱包はいずれパートの人を雇った方が良いかもね」みたいな事を進言されまして、確かに私も引越しをする前はそういった事を希望していたのですが、それに返した答えが「いやー、育てた我が子を旅立たせるような感じで出来れば人にはやらせたくないんだよね」といった言葉だったのです。いやはや自分で自分の首を絞めているようでアレですが、忙しいと思っていても意外と結構余裕があったようでちょっとビックリしました。

「一つ一つ丁寧に仕上げています」なんて言葉は実は余り好きでは無いのですが(普通は無理でしょう。笑)、それが出来る環境を作っていければと思った次第です。随分と本題からズレてしまいましたね。失礼しました。

という事で(何度もすいません)、こちらのテールランプが装着される予定の御車の納車はまだ先との事ですので、用心をとって年末年始中はこのままお預かりする事になりました。梱包は気をつけているので届いてそのままの状態ならば長期保管も問題無いと思いますが、例えば一度確認した後に塗装面に強い力が加わったままだとその跡が残る可能性もありますので、それであればさらに締まりきる間は梱包もせずにこのままの状態で保管しておく事にします。保管場所はそれ専用の部屋になっているので汚れる事もありませんしね。

それでは年が明けましたら改めて発送についての御連絡を差し上げますね。まずはこの度のご依頼、誠に有難う御座いました!