自転車小物部品 下準備~本塗り

alex5こちらもお待たせしました。モールトンのフレームの一部?も無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。下地から通して紹介していきますね。

上の画像はほぼ到着した時の状態で、旧塗膜自体はオーナー様自ら除去されたようです。ただ素地がツルツルしていますし、目には見えませんが錆び(酸化)も生じていると思われるので最初にサンドブラストを掛けておきます。所謂「素地調整」ですね。

alex6ねじ山部分とフレームと結合される箇所は塗装しないのでブラストも掛からないようにしておきます。サンドブラストは表面を細かい凸凹にしてその後の塗装(プライマー)の密着性を高める効果がありますが(投錨効果)、表面積が増えた分酸化もし易くなるので余計なところには当たらないようにしておきます。

alex2ブラストが終わったら綺麗なシンナーで洗い流すように洗浄~脱脂し、続けてプライマーを塗布します。この状態になたらもう被塗面には素手では触りません。

alex1 そしてプライマー塗布完了です。穴に紙が詰まっているのは塗料が入らないようにするマスキングの一種です。最初のサンドブラスト処理の時のように何か塊をギュっと詰めるよりもこの方法の方がフチの仕上がりは綺麗になるのです。以前間借りしていた時にブレーキ屋さんが行っていた手法で学ばせて頂きました。紙は単に詰めるだけでは無く、入れた後に巻いた反対方向に開くようにすると予想以上にしっかりと嵌って、勢いよくエアーブローしても飛んでいかないのです。子供の頃、新聞紙を丸めた物をどれだけ堅く出来るか芯を巻いて詰めたのと同じようなやり方です(この場合は広げるので逆になりますが)。

alex3 そしてベースコート塗布です。このままでも御依頼通りの「艶消し黒」ではあるのですが塗ってあるのは薄膜の黒だけなので耐久性は劣ります。例えていうとラッカー缶スプレーを塗ったのと同じ程度ですかね。この上に2液のウレタンクリアーを塗る事で強度が出ると言うか塗膜として完成形となります。

alex4そしてクリアーを塗布して1時間くらい経った状態です。塗ったばかりの時は通常のクリアー同様に艶がありますが艶消しクリアーは徐々に艶が消えていきます。性能としては艶有り仕上げ同様と考えて頂いて大丈夫です。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!