TREKカーボンフレーム&フォーク下塗り(二回目)

trek40新たに取り付けたボトルゲージ部のポップナットは予めプライマー&ベースコートの黒までを塗っておきましたが、固定の併用として使ったエポキシ接着剤をシンナーで拭き取った時に一緒に黒も取れてしまったので再度そこだけを黒で塗っておきます。

trek41 同じ様に塗膜を完全に除去しなかった箇所も黒で塗っておきます。フレームの最下部にあるワイヤー出口の窪み部分と、リヤチェーンステーにある計測器?を取り付ける窪みの箇所などです。

trek42 またアルミパーツが使われていた箇所も黒で塗っておきますが、こういったところはボカシが必用なので最初は通常のベースコートの黒を、その後ボカシ目を綺麗にグラデーションさせる為にスモーク塗装を行います。これならば塗装屋が肉眼で見ても粒子感が判らない程綺麗にグラデーション出来る筈なので、この他にもフレーム製造時に接着剤が使われている箇所などに局所的に塗ってもそんなに目立たない筈です(完全に隠蔽させてしまう黒だとちょっと塗っただけでもそこだけ目だってしまいますので)。

trek39 そしてクリアーを塗って2回目の下塗りが完了です。既にある程度の下地が出来ているので普通に見れば本塗りが完了したようにしか見えませんが、手を掛けてあげればあげる程良くなるのが下地作業ですからね。この辺が塗装の楽しみの真髄(笑)といった所だと思います。

trek43 この窪みには計測器が着くらしいので普段は見えないとの事ですから、無理にポップナットと塗膜を剥がす事はせず黒を塗ってそれらしく見せてます。

trek44 フレーム最下部のワイヤー出口も同様にポップナットはそのままに窪んだ箇所を黒で塗ってあります。

trek45 タイヤを固定する箇所はアルミなのでプライマーを塗った上に黒を塗ってあります。ボカシ際はスモーク塗装なので自然にグラデーションが出来ていると思います。

ちなみに時々クロモリ素地やアルミ素地などに直接クリアーを塗って欲しいというお問い合わせがありますが、金属の場合はそれ専用のプライマーを塗らないで上塗り塗料(色&クリアー)を塗っても剥がれてしまいますし、そもそも防錆効果はありませんから酸化(腐食)を止める事は出来ません。塗膜を3ミリくらいにすれば上塗り塗料でも空気は遮断出来そうですが余りにもナンセンスですしね。金属用のプライマーで透明な物など私は見たことはありませんし、そもそも「顔料」に防錆効果がある訳ですから(所謂これが「防錆顔料」です)、「透明=樹脂のみ」って構成はあり得ないでしょう・・・と。

ただ自動車用のアルミホイールなどではアルミ素地に直接クリアーが塗られている物もありますし、スチール製ロッカーに直接クリアー塗装だけで仕上げた製品が売っているのを見た事がありますが、どちらも長くは持たなく最後は剥がれます。ただそういった製品はそれはそれで寿命と考えればよいですし、補修(塗装)する際もユーザー側が経年でどういった事になるのか理解していれば問題無いと思います。

trek46フォークの方はさらに仕上がった感がありますが、この次に塗るクリスタルクリアーで仕上がりも耐候性もさらに上がる予定です。もう少々お待ち下さいませ!