RANGE ROVER engine cover “wrinkle finish paint”

img1632 4年くらい前に御依頼頂いた2ndレンジローバーのヘッドカバーです。元々塗装はされているのですがアルミ素地からの腐食が酷い状態でした。

img1738 旧塗膜を剥がすのは剥離剤では無く、主に廃棄物として捨てる筈のシンナーを溜めたタンクに数日浸け置きして剥がす方法を行っています。剥離剤に比べると威力が弱いのでそのままでは剥がれない事もありますが、何よりあの超刺激物を使い捨てる必要が無くなったのでこの方法が気に入っています。

img1746 腐食が酷い場合はサンドブラストを行います。と言っても強制的では無く、最終的な判断はオーナー様に委ねるようにしています。聞かれればアドヴァイスを差し上げますが、余り積極的に作業(費用)を上乗せするのは好きじゃ無いですしね。10年以上問題が起きない様にして欲しいと言う方も居れば、2年持てばそれで構わないという方もいらっしゃいますので。

img1764 ただその後のリン酸処理とプライマーに関してはほぼ強制的な感じで見積もりに形状させて頂いています。さすがにプライマーも塗らずいきなり金属素地に上塗りは出来ませんからね。

img1780 純正の塗装は塗ってそのままの仕上がりですが、折角凸状になっていると言う事もあって、最後に天面を面研する内容で承っています。

作業方法は至ってシンプルで、傷を付けたくな部分にはマスキングをし、それ以外の部分を削って光らせます。

img1782 削る方法としては最初はエアーツールを使い、その後は手研ぎで#240→#320→#400→#600→#800といった順番に徐々に番手を細かくして仕上げます。

img1783 最後は一応防錆の為にクリアーを筆で塗っています。プライマーでは無いので厳密にはちゃんとした防錆処理ではありませんが、何もしないよりかはと言う事でこれはサービスで行っています。オリジナルに拘る方や、毎週磨いてワックスを掛ける事が出来る方はクリアーは塗らずそのままの方が良いと思います。

img1784遠目からの撮影だと結構誤魔化しが効いたり、そもそもデジカメでの撮影であれば後から編集し放題と言う事もあるので、仕事での撮影ではRAWでは無くJPEGで、サイズの変更以外では殆ど無編集にするようにしています。

img1038その後別の案件では赤の結晶塗装を施した物もあったりします。どちらが良いと言う訳では無く、この辺は完全にオーナーの好みで、そもそも純正の塗装は結晶塗装では無く単なる半艶の黒みたいな塗装なのですが、コスト(と重量増)を惜しまないレンジローバーでこれはちょっと勿体無いですよね。

img1039 デザインはちょっとレトロっぽい感じが否めませんが、鈍い銀色のアルミ素地を露出させると断然格好良いですよね。

img718 その他サージタンクも御依頼頂きました。こちらは表面が面研されているので、むしろヘッドカバーよりも格好良く出来ています。

img810先日お客様から頂いた言葉なのですが、「何よりも画像があると説得力が全然違いますよ!」と言う事で、中々大変ではありますが何とか今後もこのスタイルを続けていければと思います。まあ他には何も出来ませんしね。