最近お問合せがあったので以前の施工例を纏めてみました。7年前くらいに施工しましたマセラティのヘッドカバーとインテークマニホールドです。
この頃から 旧塗膜の剥離に剥離剤は使わず、使い終わった廃棄用の溶剤を貯めて浸け置きしていました。
旧塗膜を剥離したらリン酸を使用してアルミ素地の表面エッチング&化成処理をして塗料の密着性を高めます。
結晶塗装用の塗料のような熱硬化型の塗料(この場合はメラミン樹脂塗料。所謂「焼き付け型塗料」と呼ばれる物)はそれ単体でも比較的密着性が高いので、化成処理や足付け処理、プライマーの塗装などを省かれるケースが多々あります。塗って最初の数年は良いのですが、いずれ塗膜が剥がれてしまうのはそのせいですね。
結晶塗料は膜厚が薄いと結晶目が細かく、塗り過ぎると荒くなる傾向がありますので、美しい結晶目に仕上げる為には全体を均一な膜厚にする必要があります。
凸部の面研はエアーツールを多用し過ぎると角が丸くなって、如何にも再塗装したような雰囲気になってしまう為、基本的には硬い当て板を使っての手研ぎがメインとなります。
凸部を研磨した箇所はアルミの素地が露出して腐食し易いので、最後に2液のウレタンクリアーを筆で塗ります(こちらはサービスで、ご希望の場合はその旨ご指定下さいませ)。
結晶目は細か過ぎずしっかりとしたチヂレ目を出し、且つ全体に均一な模様になるようにしています。
赤は鮮やかなイタリアンレッドと日産系のドス黒い赤が人気です。通常の塗料に比べて原色数が少ないので限界はありますが、ご希望に塗色に合わせるように致します。
納期は一ヵ月程度は掛かりますので、出来れば予め代替品をご用意して頂く事をお勧め致します。