マツダのユーノスロードスターのヘッドカバーです。どうやら海外だとMX-5と言う車名で呼ばれているようで、タイトルはそちらに合わせています。
ロードスターのヘッドカバーはかなりの数をご依頼頂いていますが、その中でもこちらは色々やっておりますので内容を纏め改めて紹介させて頂いてます。
通常ここにはタイミングベルトカバーがあるのですが、整備性を高める為かカバーとなる部分がカットされてベルトが剥き出しになるようにしてあります。今回は結晶塗装に加えこの部分を綺麗に磨いてヘアーライン仕上げとし、さらに腐食の進行を遅らせる為にクリアーの塗装を承っています。
ちなみに金属の腐食はクリアーのみでは止められません。そもそもクリアー(透明)である事は防錆顔料が含まれていない事ですから、それでは防錆のしようが無いのです。あくまでもアルミ素地表面が直接空気に触れないようにして酸化の進行を遅らせる程度です。
塗装した後に金属素地を磨くのは気を遣うので、先に粗削りをして腐食を取り除いておきます。
さらに全体にサンドブラストを掛けて酸化したアルミ素地表面を一皮剥きます。
その後リン酸を使ってアルミ素地表面を化成処理してこの後に塗るプライマーの密着を高めます。
ホースパイプ部も一緒に結晶塗装してしまっても構わないのですが、そこからオイルが染み出す等気にされる方もいらっしゃいますので、そこはプライマーを塗布した後に艶消し黒を塗っておきます。
先ほど黒く塗ったパイプ部分をマスキングし、全体に結晶塗装専用の塗料を塗布します。
その後140℃~170℃程度の熱を掛けて塗膜を完全硬化させます。結晶目はその過程で形成されます。
今回の結晶塗装は青に加えメタリック(パール)感も出しています。
さらに今回は凹み文字部分の塗装も承っています。通常これらの文字は凸状なので塗装後にそこを削ればアルミ素地が露出されて光輝かせる事が出来るのですが、凹み文字の場合はそれが出来ません。
結晶塗装表面は凸凹しているのでマスキングテープがくっ付き難く、中々厄介です。
白は結晶塗装では無く、通常のSTANDOXのベースコートカラーです。折角の結晶目が埋まら無いよう極薄膜に留めます。
その後はひたすら手研ぎで、最終は#800で仕上げます。クリアーを塗るのでコンパウンドで磨いたりはしません(むしろ剥がれ易くなってしまいますし)。
結晶塗装に塗った部分をマスキングし、最初に 密着剤を塗ってからクリアーを塗布します。
通常のブルーでは無く、塗料中に混ぜたパールによって何とも言えない色の変化を感じられます。
結晶模様もしっかりと表現出来て、全体に均一な目に仕上げられたと思います。
ペーパーを掛けてクリアーを塗ったカット面です。元々かなり腐食が出ていましたが、それらは綺麗に除去し、さらに今後アルミ表面が酸化する進行を遅らせられると思います。
尚、こういった施工例も大分数を増やす事が出来ましたので、もう少ししたらそれぞれをカテゴリー毎に分け、さらにはサイトページ自体を新たに作ろうと思っています。画像自体は既にある物を使えるので、土台さえ出来てしまえばhtmlページよりもwordpressの方が断然楽なんですよね。空いた時間があればせっせと種を蒔いて今後に活かしたいです。