SHURE SM58-50マイク 本塗り

 先日色の確認とデカールを作成しておいたSHUREのボーカルマイクSM58、50周年記念モデルです。

グリルボールはメッシュ構造で、普通にペーパーやスコッチを使ってもワイヤーが交差する隙間まで足付け処理が出来ない為、こういった場合は研磨粒子が入ったリキッドタイプの足付け洗浄剤、ウォッシュコンパウンドを使って足付け処理を行います。

ちなみに被塗面が金属の場合はこれでは歯が立たない為、サンドブラストかリン酸などを使っての化成処理となります。

 マイク本体の方はアルミ素材に塗装が施されている為、#800相当で足付け処理を行います。こちらは空研ぎで水は使いません。

 よく脱脂清掃したらまずは下色として白を塗ります。この時点では1コートのみで、下地が透けていても問題ありません。とにかく少ない膜厚で明度を上げておきます。

 さらに隠蔽力の高いイエローを塗ります。具体的にはVW社のサンフラワー(カラーコード:LB1B)です。白やオーカーなどの無機顔料が多く入っている為比較的隠ぺい力が高いのが特徴です。

 そして左側が今回の塗色で、STANDOXの原色MIX844そのままとなります。

このような鮮やかな色は有機顔料で、鉱物などから出来ている無機顔料に比べると発色が非常に良く、ただし隠蔽性が弱いので通常単体で使う事はありません。

今回のように単体で塗るなら問題は無いのですが、これが「補修」が前提の自動車となると話は別で、市販されている製品はそういう事も考えて色が決められています。と言いつつスイフトスポーツのチャンピオンイエローはかなりエグイと思いますが…(お察し致します)。

 ベースコートを十分に乾燥させたらいよいよデカール作業となります。場所は工場の二回に移りました。いつも撮影しているスペースです。

 トレーに水を張り、木工用ボンドを少量垂らしてデカールを入れます。

デカールの作成については以下ページで紹介しておりますので宜しければご参照下さいませ。

SHURE SM58-50マイク デカール作成&色確認

デカールを貼る前に専用の接着剤(マークセッター)を塗り、デカールを置いたらさらに上からも塗り重ねます。多分これをかなりしつこくやるのでよく印刷が剥げてしまうのだと思いますが、今回は珍しく一回で上手くいきました。

ちなみに失敗しても水で落とせるので最終的失敗と言う事はありませんのでご安心下さいませ(その為に同じ物を何枚も刷っているのでして)。

位置が決まったらデカールの隙間に残った水をよく扱き出して一晩乾燥させます。時間が無い時はドライヤーを使って強制乾燥させる場合もありますが、塗装と同じでゆっくり揮発(この場合は蒸発ですか)させてあげた方が良い気がするので今は時間があれば自然乾燥にしています。

 と言う訳で今日の現場作業は終わろう・・・と思ったのですが、デカールが3枚残っていたのでここで例のスマホカバーを思いついたと言う訳です。

 十分にデカールを乾燥させたら最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

 デカールを使い始めの頃は色々失敗もしましたが(剥がして塗り直しと言う事もしました…)、今では大分トラブルも回避出来るようになったと思います。STANDOXのクリアーをいきなりウェットに塗っても問題ありません(マイクでは一応控えめにしておきましたがスマホカバーでは大丈夫でした)。

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーを使用しています。高美観は勿論、耐擦り傷性、耐UV性、耐薬品性などに優れたクリアーです。

先ほどのマイクだと判り難いのですが、こちらだとデカールの段差があるのが判ると思います。現状では比較的滑らかですが、塗膜が完全硬化した後にはさらに段差が目立つ為、この後表面を#800~#1500で研いで段差を均し、再度クリアーを塗って対応します。

ちなみにスマホカバーの方は下記ページの社外記の方で紹介していますので宜しければご参照下さいませ。

http://pro-fit.ne.jp/wordpress2013/wordpress/2017/06/22/iphone%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%BC-%E3%83%87%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E4%BB%95%E6%A7%98/

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!