大変お待たせしました!先日本塗りを行っておりました三菱i(アイ)のアルミ製エンジンヘッドカバー塗装、本日完成となります。
最初の状態も紹介させて頂きますね。
元々は未塗装のアルミ素地状態だったヘッドカバーで、通常これを艶ありの仕上げにするには「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程が必要ですが、今回は鋳造製品にしては素地の状態が良かったので、簡易的な工法として「2度塗り」の方法で対応させて頂く事にしました。
色はマツダの「ソウルレッドプレミアムメタリック 」(カラーコード:41V)を参考にし、カラーベース(下色)はその配合データをそのまま使用し、その上に塗るキャンディーレッドは(以前)テールランプの塗装に使っていた物を採用しています。
尚、キャンディーレッド=透過性の赤については3種類を使用していて、現在テールランプに使っている物は耐候性が高い反面、塗れば塗る程色が濃くなっていく(暗くなる)傾向にある為、通常太陽光に当たる恐れが無い今回のような物に関しては発色の良いタイプを使うようにしています(最も発色が良いのはハウスオブカラーの赤で、そちらはマイク等室内で使う物に限っての使用としています)。
光が赤の塗膜層を透過し、下地のメタリックに反射してさらにキャンディーレッド層を通る事でこのように発色の良い色を表現する事が出来ます。一般的な2コートでこの表現は出来ません(この場合クリアーに直接赤を入れて塗る2コートは無しとして)。
三菱のマークとMIVECの文字は、ベースコート塗装後に研磨してアルミを時を露出させ、その後全体にクリアーを塗っています(ですのでこれはシルバーの塗装では無くアルミの素地となります)。
プラグホール周りは、塗膜の厚みでキャップが着かなくならないよう、プライマーとベースコートの黒のみの仕上げとしています。
多少磨き処理はしていますがこのような形なのでポリッシャーが使えず、基本は「塗りっ放し」の仕上りとなります。また紹介している画像もサイズを半分程に縮小するのみの「撮りっ放し」となります。
極力塗り肌を残さないようクリアーはレベリングの良い仕様とし(クリスタルクリアー+乾燥硬化反応速度が遅いタイプの硬化剤とシンナーの選択)、スプレーガンのエアー圧は低くし、距離をかなり近づけて塗っています。自動車のボディを塗っていた頃はガンと被塗面との距離は12cm~13cmくらいだったと思いますが、今は3cm~5cmくらいです。