ホンダクロスカブヘッドカバー 本塗り

 先日お預かりしておりましたホンダ純正のクロスカブ用ヘッドカバーです。

シンナーで洗い流すようにして脱脂清掃し、その後リン酸処理を行いました。

よく乾燥させ、マスキングを行います。アルミの輝きが無くなっているのは表面にリン酸による不働態被膜が出来た為で、これにより防錆・この後のプライマーの密着性が向上します。

今回のヘッドカバーを単体で塗装すると採算が合わないのですが、他に色見本キーホルダーとして作成する物も一緒に塗る事で何とかしてみました(他にも結晶塗装でお預かりしている製品があるのですが、そちらは掲載不可なのと、もう少ししてから本塗りを行う事にしました)。

 まずはプライマーを塗布します。

ちなみに金属に直接上塗り(結晶塗装)を行っても最初の内は大丈夫ですが、経年でペリペリと剥がれてきてしまいます。純正部品の塗装が剥がれるのはその為で、塗料(塗膜)自体が劣化したという訳ではありません。コスト上の問題でプライマーの塗装が省かれてしまっているのだと思います。

続けて結晶塗装用の塗料を塗布します。こちらはSTANDOXでは無く、大泰化工社のリンターなる製品となります。

これだけだと効率は良くないのですが、丁度時間が空いていたという事で先に塗らせて頂きました(テールランプ関係が始まると3週間以上後になってしまう恐れがありましたので・・・)。

焼き付け後、結晶目が現れます。

マニュアル上だと120℃15分なのですが、それだとどうしてもグニッとなる部分が残る気がするので、私的には20~30分、さらに恒温機で二度焼きするようにしています(ただしこれだけの為に熱を入れるのではなく他の被塗物も一緒に出来るようタイミングを合わせています)。

色は黒で、最後に「HONDA」の凸文字も研磨して光らせます。

 そしてミニカー型の樹脂製色見本です。

 厚みが無い物を選び、底面がフラットになるよう研磨してあります。

最後にいつものプレートに貼り付けてキーホルダーにしようと思っています。

↓こんな感じです。艶ありの黒と結晶塗装の黒の組み合わせが格好良いと思うので、試しに造ってみます。

ちなみに3個の内の一つは裏側にはレーザー彫刻でPRO_Fitのロゴを入れてあって、これ単体でキーホルダーになるタイプです。以前キャンディーレッドで塗装した物ですね。

ただ今回はサフェを塗っていなく、なので巣穴が結構あるのですが、そこはさすが素地の悪さを目立たなくしてくれる結晶塗装!という感じで、素体にそのまま塗るだけで予想以上に綺麗に仕上がりました。こちらも商品化出来たら販売したいと思います。

それでは作業が進行(または完成)しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!