アルファロメオ樹脂製エンジンカバー塗装承ってます

新年あけましておめでとうございます。当店は明日の5日から営業となりますが、休日の間に頂いたメールの返信等でかなりの時間が掛かりそうだったので、本日4日から通常通り出社しての営業となります。今年もどうぞ宜しく御願いいたします。

そしてこちらは昨年末に到着しておりましたアルファロメオの樹脂製エンジンカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

現状は未塗装黒の着色樹脂で、

ザラザラとした梨地をベースにし、各凸部は艶がある作りになっています。塗装による塗り分けでは無く、金型の素地変える事によって質感を表現する手法ですね。

今回の御依頼内容としては、ザラザラとしたベース部分を黒系メタリックとし、

これら艶のある凸部をシルバー系の塗色で承っております。

黒メタリック・シルバーをそれぞれ塗り分けた後、最後に全体を艶消しクリアーでコートする艶消し仕上げで承っています。

色に関しては「お任せ」で承りましたので、既存の色見本から良さそうな色を探しました。

オーナー様の御希望としては、「プラスチック然としているカバーの質感を高めたい」「ピカピカ、キラキラではなく、重厚な仕上がり」と伺っていますので、

予め艶消し仕上げになった色見本帳から、こちらの塗色=GM社の「Dark Argent Charcoal Met」にする事にしました。

単なるグレーでは無く、メタリックとパールを含んだ濃い目のグレーメタリックの艶消しとなります。イメージとしては「鋳鉄」のような感じですね。

凸部のシルバーに関しては、出来ればここで金属感を高めたいと思いますので、高輝度タイプのSPFシルバー=JLM-906を採用しようと思います。JLM-906はこの時に採用したシルバーですね。

尚、凸部の塗り分け作業方法につきましては、

この時のような方法で行うようにする予定です。先に凸部=今回の場合はシルバーを塗って一旦全体をクリアーで覆うようにし、その後再び下地処理(足付け処理)を行って全体を黒メタリックを塗り、凸部を削って最初に塗ったシルバーを露出させたら全体に艶消しクリアーを塗る、といった方法です。

その他の手法としては、

この時のように「各凸部に合わせてマスキングシートを作成する」といった方法もありますが、かなりの手間が掛かるので一品だけの為にこれを行うには余り現実的では無い所もあります。新聞が一部数十円で買えるのは一つの版で一度に数千万部を刷れるから可能になる訳で、今回のように一つだけの為に版=データを作るのはどうしてもコスト高になってしまうのです。

さらにそれらの方法でも難しい場合は、それ一つだけの為にマスク型を作って塗り分けする方法もありますが、それこそ大変な作業になってしまうので、実験的に行うような場合を除くと余り現実的では無いですかね。

ちなみに極稀に「周りは塗装せずそのままで、凸文字部だけをシルバーに」といったお問合せがありますが、それこそ非常に大変な作業でして、

その場合はこのような感じで、本当に物理的な方法で塗り分けを行う事となりました。もしかしたら箔を押すような方法があるのかも知れませんが、ただでさえ密着性の悪いPP=ポリプロピレン樹脂素材に、新車時と同等からそれ以上の仕上がり&耐久性を保持出来るの方法があるとするならば、是非教えて頂きたい次第です(タンポ印刷が良さそうなイメージですが、はたしてエッジを綺麗に塗り分けられるのでしょうか)。ちなみに新品時の塗装=大量生産ではそれ専用に作成した電鋳のマスク型を使用していると思います。

以下リンク先のような方法ですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!