ロータスエリーゼの樹脂製インテークカバー&プラグカバーです。結晶塗装の赤でご依頼を頂きました。
金属素材の場合は塗装後に凸部を削れば素地が露出して文字を光らせる事が出来るのですが、樹脂素材の場合はそれが出来ませんのでこの場合はシルバーを筆で塗る事で対応しています。
ただそうするとどうしても刷毛目が目立ち汚い仕上がりになる為、今回はマスク型を作製して結晶塗装後にシルバーをスプレーで塗る方法を行いました。
この状態では文字部の部分にも樹脂が被さっている為、ここから表面を研磨して文字の表面を露出させます。
再びエンジンカバーに型を嵌め、ダブルアクションサンダーで表面を削ります。
ここで再びいつもの塗装作業に戻ります。
オレフィン系のプラスチックは塗装との相性(密着性)が悪い為、素地調整の為にサンドブラスト処理を行って素地表面を荒らします。
通常の塗装であればペーパーを掛ける足付け処理だけでも構わないと思うのですが、エンジンルームのような劣悪な環境の場合だと経年で塗装が剥がれてしまうような恐れもある為、細部までアンカー効果の期待が出来るブラスト処理は有効です。
結晶模様は塗膜が硬化する過程で発生し、そのチヂレ目は塗膜の厚みや熱の入れ方により変わります。
そしていよいよ凸文字の塗装です。周りを養生し、凸部を研磨して素地を露出させます。
予め作製しておいたマスク型を固定し、プラスチックプライマーを塗布します。
シルバーは粒子が細かく輝きの強い原色を使います。高輝度メタリックは金属的な輝きが強い反面、ペーパー目などの素地の粗が目立ち易く使い難い所もあります。今までのような筆塗りには到底使えません。
そして塗装完了です。当然ですが、今までの筆塗りとは仕上がりが大きく違います。
今回は型を利用してマスキングを行いましたが、文字が大きくて単純であれば以前施工したBMW M POWERのゴールド文字の様に先に凸部分を塗装して表面をマスキングすると言う方法もあります。
または以前施工したベンツ500Eのエアークリーナーボックスのように、文字を一つずつマスキングするという方法もあります。今回は文字が小さかったのでそのどちらの方法も使えず、新たに型を作ると言う方法となりました。
他にはLotus ELISEの文字を鋳造で作製したりもしました。