MIX561色見本&新色見本

 今回作成した色見本は、フェラーリのロッソコルサなど鮮やかな赤に多く採用されるSTANDOX MIX561 「ルビーレッド」の原色です。DUPONTだとAM50に該当する原色ですね。

 現在独自に作成している色見本は、一番薄い方は原色(今回の場合は赤)1%に対して白を99%とし、そこから徐々に配合比率を変えて7種類の色と、艶あり、艶消し、合計14種類の色を塗装で表現しています。

ちなみに少し前にもマイクのロゴ用にピンクの色見本を作っていて、一見すると似ているように見えるのですが、これらは原色が違います。あちらは少しマゼンタ寄りのMIX576 ブリリアントレッドで、今回は朱色寄りの赤となっています。

 と言う訳でそのMIX576ブリリアントレッドと、今回作成したMIX561ルビーレッドを並べてみました。

 それぞれを別にしてみるとどちらも「ピンク」ですが、こうやって比べてみると色の種類がかなり違うのが判ると思います。上の青味がある方が大人っぽいピンクで、下の黄味があるピンクは子供っぽい感じですかね。

 原色(白では無い方)の含有量が増えると色の違いが明確に判ります。上段のMIX576ブリリアントレッドは原色そのままだと黒にしか見えない程に明度が低い(濃い)のですが、それくらいの方が白が多く入った場合は色としては見れますね。下段の赤はこの辺になると色が濁ってしまい、正直余り見れた色では無いと言う印象です。

 ちなみにこれらの色見本ですが、一般の方が使うとなるとちょっと味気なく、どうしても機能優先で業務的な感じがしますので(と言うかいずれ多角型分光測色機を使う事を想定しているので平面じゃないと駄目なのでして)、

 これらを一体化してみようと考えました。

アクリル板にレジン製のミニカーを両面テープで固定し、

 注型用のレジンを流し込みます。

ちなみにサランラップを敷いているのは注いだ樹脂が漏れない&樹脂が離型し易いようにで、他に適当な物が無かったのでこうしているだけです。FRP製作で使うシートワックスがあれば丁度良かったと思うのでいずれそちらも用意しておこうと思います。尚サランラップは素材がPE(ポリエチレン)なので塗料や樹脂・接着材は全くくっ付きません。

 使用している注型用ウレタンレジンは180秒硬化タイプで、5分程すれば十分固まります。

 サランラップを剥がし、柔らかい内にカッターで余分を切り取ります。

 左の方はいつものアクリル板と同サイズで、右の方はミニカーの向きを縦にしたかったので少し延長しました。ただ縦長にしても少々窮屈なので、やはり横向きでも正方形が良いですかね。もしくはミニカーを小さくするか…。

ちなみにイメージしたのはSTANDOXのカレンダーにあったイラストです。

これをイメージしてミニカーを原型としてアクリル板を熱し、真空脱泡用のデジケーターの上にメッシュ板を乗せて「真空成型」を試してみたかったのですが、その後変形したアクリル板の端を毎回カットする手間を考えたら気持ちが悪くなったので(上下左右を直角&平行にカットするのは至極大変です)、だったらと言う事で今までと同じく原型を作って注型~複製する方法にしようと考えています。

ただちょっとミニカーの厚みがあり過ぎたので、次はもう少し薄くした物で作り直してみようと思います(既に進行中です)。

この形状にすればこれ一個で平面的且つ立体的な色の表現を見る事が出来るので(さすがに端折り過ぎな気もしますが)、初めて塗装をご依頼頂く方も色の見え方や質感が判り易くなるのではと思っています。

あとは空いたスペースにデカールやシールが貼れるので、メーカー名や色番号を入れても良いかもですね。マイク用の色見本と並行して幾つか塗ってみようと思います。

2 thoughts on “MIX561色見本&新色見本

  1. 真空脱泡機(自作)でもバキュームフォームできるのですね!
    吸引力が足りないと絞りきれずに悲惨な目に遭いますが、そのあたりどうなのか気になりますね~

  2. 密閉度さえちゃんとすれば手持ちのドライポンプで十分なのでは、と思っています。
    まだ私も経験は無いのですが肝は樹脂板の熱し方だと思っていて、これも手持ちの赤外線ヒーターを遣えば良いですしね。

    ただ幸せ=重さだとも思っているので(笑)、やはり塗る物としてはガワだけの物よりも中までギュっと詰まった注型樹脂が好みでもあります。

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