グレー色見本 プレート化

 色相ごとに冊子が別れていて、さらにそこから明度を細分化しているニットコウ(日本塗料工業会)の色見本帳はとても便利なのですが、STANDOXにはこれの配合データが存在していません。

 と言う訳で、以前から欲しかったグレー系の色見本を新たに作りました。

配合は1:99から始まって80:20までの7種類を、立体&平面、艶あり&艶消しでそれぞれ28個作っています。

 使った原色とそれらの配合比を印刷した紙をカットし、

 レーザー加工機で同じサイズにカットしたMDF板に貼りつけ、塗装した物を固定して完成です。塗装したアクリル板は被塗物に合わせられるよう、着脱可能にしています。

 他には別の案件で作っていた色見本も一緒にプレート化しておきました。

 こちらの色は、ぱっと見は単なる白ですが、

光に当たると輝くコースガラスフレーク PP304です。

 こちらは先日完成したキャノンデールのカーボンフォークの色見本ですね。オーナー様にも仕上りを喜んで頂き、可能であればフレームもお願いしたいと仰って頂きました(ただ現在フレームのお受付は停止させて頂いております。頸椎ヘルニアで長時間同じ姿勢で作業をするのがとても辛いのです)。

 こちらは純金風にとご依頼を頂いて作成した色見本です。多分今後も同じようなご依頼がありそうなので色見本を作っておきました。

 これらの色見本は貸し出しはしていなく、また現在は受付窓口も設けていないので実物をお見せする事も出来ないのですが、いずれ土曜日を休み(風)にする予定なので、その時には直接ご来店頂いて色を選んで頂く事も可能にしたいと思っています。またもしTwitterを始めるとしたらその時ですかね。「本日受付窓口開いてます」みたいな感じでしょうか。

 さっそくグレーを並べました!

こちらの壁に飾っている色見本は、今回のように数種類を組み合わせた物で、

その他、迷彩ピンクなどのようにバラバラな色見本は、裏側に磁石を着けてこちらのドアに貼ってあります。抜けているところは実際に作業で使っている物で、工場一階の現場に貼ってあります。

ちなみに今の工場は賃貸で、最終的には上の画像のある自宅の作業場で塗装の仕事を続ける予定です。塗装の仕事は長くやればその分経験を得られますが、逆に品質は落ちてしまう筈なので(目が見えなくなる&色々勘違いをしてしまう)、今掛かっている固定経費では経営が成り立たなくなってしまう筈なんですよね。後継者がいる会社であればまた話は違いますが、当店のように自分一人でやっているとそこがネックになってくるのです。

ちなみに自宅のローンも73歳まで払い続けないといけないシステムになっていて(苦)、ただ幸いにして自営業に定年はありませんから、工場の家賃さえ無ければ何とか最後まで塗装を続けられるかと思っています。直接仕事とは関係の無い色見本の制作や、また塗装以外の(全く利益になってはいない)マウスやミニカーの分解組付けなど、それらはその時の為の先行投資を兼ねているような感じですかね。

いずれは「適当コース」とか「盲目コース」とかを設け、ヘッドカバー1万円くらいで塗って余生を過ごせればと思っています(笑)。

グレー色見本作成

 業者様からのご依頼で、ニットコウ(日本塗料工業会)色見本帳から「N-20のグレー」でご指定頂きまして、ただSTANDOXにはこれの配合データがありませんから、今回はこの色を見ながら塗料を作る事にしました。

ただ以前からこの「グレー」の参考となる色見本が欲しかったので、今回の事をきっかけに新たに作る事にしました。

ちなみにですが、自動車補修用塗料に「グレー」なる原色は存在しません(黒くない黒ならありますが…)。私的には当たり前過ぎて考えもしなかったのですが、模型用の塗料ではグレーは沢山あるらしいので、それを知ってから車用の塗料を使うとかなり驚かれるそうです。

 仕様はいつものPRO_Fit色見本(仮)で、艶ありと艶消しをそれぞれ7種類ずつ作ります。またフリップフロップ性が判り易いよう、同じ色で車型とアクリル板の2種類を作ります。

 このPRO_Fit色見本(仮)では、たった一色(今回は「グレー」)の為に28個の塗装をしなければならないので、久しぶりにやってみると改めてこれの手間が判ります。今までにこれを10色分(280個)作っていますが、本当によくやったなぁ、と(会社の口座が危険な状態になりました・・・)。

 アクリル板は端材で購入した物をレーザーでカットしているだけなので簡単に大量に作れますが、先日造った樹脂製の素体は多少なり手間が掛かっているので、今回のグレーであっという間に14個が減ってしまうのは意外とダメージが大きいです。いずれは注型では無く、ポリカ板を真空成型で作るようにした方が良さそうですね。

と言う訳で、片づけたばかりのシリコーン型を出して再度量産しておきました。

前に誰かから「なんで車の形なんですか?」と聞かれた事がありますが、一応STANDOXは車を塗る為の塗料だからです(笑)。

 

塗装した色見本は後日いつものようにプレート化して、壁に飾れるようにしておくようにします。

PRO_Fit夜の部(色見本の作製)

先日塗装していたミニカー型の色見本ですが、ある程度の数が溜まって来たので、いつものように壁に飾っておけるようプレート化しておく事にしました。色の見本は塗って終わりでは無く、この後も作業が続きます。

 台紙となるテンプレートは予め出来ていますが、それにしても各色名や配合などを入れないといけないので結構な手間となります。これが全部お金になれば、もう少し楽が出来ると思うのですが・・・。

 少し厚みのあるマットな用紙に、レーザープリンターで印刷しました。

各色と内容が合っているか一応チェックもしておきます。

 カットが意外と面倒なので途中レーザー加工機を使っていたりしましたが、その後ディスクカッターの刃を替えたら気持ちよいくらい切れるようになったので、現在はこの方法に戻りました。レーザーは便利ですが位置出しが意外と面倒なのです。

 こちらは土台部分となる板です。約6ミリのMDF板をレーザーでカットして作っています。

表面に糊を塗り、先ほどの紙を貼ります。

 ちなみに裏には磁石を嵌め込められるようにもなっているので、フックで引っかける有孔ボードの他に、スチール製のドアなどにも貼り付けられるようになっています。現場で使う時にも便利ですね。

 この辺の事は時間が掛かる割に全く売り上げにはならないので、こういう作業は「本当はもう帰ったつもりで」と考えて作業をしています。ただiPadでamazonプライムビデオを観ながらの作業なので意外と楽しかったりするのですが(ワールドトリガーとネト充のススメが面白かったです!笑)。

 こちらは先日の仕事で役に立ったキャンディーマゼンタピンクです。出来上がったマイクは、芸能界に疎い私でさえよく知っている方に使われているそうでして、仕上りもとても喜んで頂けたようで本当に何よりです。

 新たに作ったピンクゴールドも色見本化しておきました。

ちなみに以前知り合いの塗装屋さんに言われて初めて気が付いたのですが、自動車補修用塗料に「グレー」は存在しません。模型用とかだとかなりの種類があるみたいですが、確かにプロ用の塗料でグレーを見た事がありませんでした・・・。と言うか原色を混ぜれば勝手にグレーが出来るので、全く必要ないですよね(笑)。

 今の色見本は、立体と平面の二種類を作るようにしていて、見ての通りそれぞれ違う色に見えますが、実際には全く同じ色です。塗料の顔料はその粒子自体が立体なので、見る角度によって色が変わって見えます。これがいわゆる「フリップフロップ性」と呼ばれるもので、調色作業を難しくしている所以でもあります。丸一日(8時間)やっていても色が出ないなんて事はよくありました。

塗装の調色作業では、一方向だけを合わせると同時に他の角度から見た時の色が崩れてしまうので、どの方向から見ても同じ色にするのはとても大変です。さらに言うと、見本と同じ色にするには、使っている顔料と配合値を全く同じにしなければならなく、ただしそれは恐らく天文的な数字になるので、調色作業をして「全く同じ色にする」と言う事は現実的に不可能なのです。塗装屋さんが気軽に「大丈夫です!同じ色に出来ます!」と言えないのはそう言う事が判っているからですね。

と言う訳で、今回は12色の色見本が出来ました。

色の見本としては、単なる厚紙やブリキ板に塗るだけでも良いのですが、私的には標本とかコレクションにするのが好きなので(笑)、並べて格好良く見れるようにしています。

また現在は色見本ミニカーをもっと格好良くした物の制作をお願い中で、それが出来たら背面をアクリル板&レーザー彫刻で格好良い色見本を作って販売しようと思っています。

キャンディーピンク色見本作製

 先日某アーティスト様向けのマイク塗装で、「ピンク」の色味をデカール&塗装で作る必要があり、色々模索していました。

画像のマイクは以前サンプル用に作製した「マゼンタ」のキャンディーカラーとなります。

 デカールの色味については、いつもお世話になっているデカールマイスターのG-SHOCK塗装屋さんにご教示を頂いて作製し、

 次にそれに合わせるようピンクの塗装を行いました。と言っても最初の画像のマゼンタを、樹脂の割合を増やして薄くしただけなのですが・・・(後に判明したのですが、これ以外に良い方法は無いみたいです)。

 出来上がった色見本を、それぞれの違いが判り易いよう並べて撮影してみました。

一番左がキャンディーレッドで、真ん中が最初に紹介した画像の「キャンディーマゼンタ」(仮)、一番右が今回新たに作製した「キャンディーピンク」(仮)の色見本となります。右の二個は同じ色で、単に塗り方(濃さ)を変えただけです。

「赤」を基準として言うと、左の赤は「黄色い赤」となります。

 こちらは「青い赤」ですね。

実は仕事で「ピンクゴールド」の色味を作る必要が出たのですが、キャンディーカラーも得意なG-SHOCK塗装屋さん曰く、「コーラル系のピンクは無理なんですよ…」との事でした。えええええ!!そ、そうだったんですか・・・(全く知りませんでした)。

取り敢えずその辺は無視して(笑)、今後の色の参考になるよう普通に撮影は済ませておきました。順番は先ほどと同じで、左がキャンディーレッド、真ん中がキャンディーマゼンタ、右端がキャンディーピンクです。判り易いよう今後こう呼んでいこうと思います。

 こちらのページは社外記となりますが、画像はどれもサイズの縮小以外は未加工となります(社外記で紹介する画像の多くはPhotoshopで加工しているのでわざわざこう説明しています)。

 マゼンタを薄く塗るのが意外と難しくて、かなり樹脂(バインダー)の割合を増やしてコート数を重ねました。実際には濃くした方がよっぽど楽と言う・・・。

画像だと判り難いのですが、彩度(鮮やかさ)としては断然キャンディーレッドが上です。マゼンタは濃くしても薄くしてもキャンディーレッドには敵いません。迷ったらキャンディーレッドがお勧めです。

こちらは自然光下での撮影となります。色が薄い分、透過して反射する光線量が多い為、よりピンク感が判り易く見えるかと思います。

 そしてG-SHOCK塗装屋さんから頂いたアドヴァイスの確認の為、ハウスオブカラーの色見本を確認してみると、確かにコーラル系のピンクが無い・・・。

「社外記を見て、タカハタサンがどうやってピンクゴールドを作るのか、今度会った時に聞こうとメモしておきました」との事ですが、実はこちらが全く気にしていないだけだったと言う(笑)。

さらに頂いた説明では、これらの色を混ぜてピンクを作ろうとしても色が濁ってダメダメな結果になるそうです。確かに以前グリーンを作るのに、「青とイエローを混ぜたら作れるのでは?」と思いましたが、オートサプライヤーさんがわざわざメーカーに聞いてくれたところ、「それは濁るのでNGです」との回答を頂いてグリーンを取り寄せたという経緯があります。まあ当然と言えば当然ですよね。

 と言う事ですが、以前テスト的に作った色見本が意外とピンクゴールドっぽくて(笑)、ただ2トーンカラーで塗る色自体が同じ色(クロマフレア風No.4)で重なってしまうので、少し工夫をしないと駄目そうです。見る角度によっと同じように色が変化してしまうと差異が判り難いんですよね。

他にはトンデモないゴールドパール(メタリックではありません)と言うのもあって、単体だと粒子感が強過ぎて使えないと思っていましたが(しかしお値段はマジョーラ並み)、これにマゼンタ系のキャンディーカラーを加えればそれっぽくなるのでは?などと(安易に)考えています。

まだ時間はあるので、もう少し色々と考えてみようと思います。何だかんだ楽しいですし(笑)。