塗装ブースメンテナンス

塗装ブースの床にはいつもそれ専用のエポキシ系塗料を使用していましたが、前回のメンテナンスでそれらを全て使い切ってしまっていたので、

今回は新たに粉の顔料から塗料を作ってみる事にしました!

用意したのは白と黒で、それぞれ¥1,500くらいです。

そしてこれを入れる樹脂なのですが・・・、

以前車体を塗っていた頃に購入したクリアーが結構余っていて、今回はそれらを再利用しよう!という作戦です。当時は1リットル¥6,000した高級な塗料ですが(仕入れ価格でこれはかなり高いです)、如何せん磨くのが大変過ぎる為に小物塗装になってからは使う場面を選び、結局そのまま使わず処分に困っていたんですよね。

またハードナー(硬化剤)においても、数回だけ使って残っていた物をこういう機会で一気に片付ける事にします。使わなくなった塗料は業者さんにて引き取って貰う事も可能ですが、これならば廃棄する為の費用は掛からず、また無用にゴミを出さないのでまさに一石二鳥です。

STANDOXラピッドクリアーは耐候性が高いので元々色味の強いクリアーでしたが、経年であらにそれが強くなってしまっています。いつか何かに使えればと取っておきましたが、ようやく日の目を見る時がやってきました。

ハードナーと混ぜたクリアーに白と黒の粉の顔料を、さらに青やイエロー等はSTANDOXの2Kエナメルを混ぜて色味を調整しています。黒はほとんど使わなかったので、粉は白だけで良かったですか・・・。

塗装方法は勿論スプレーガンで、ただこんな所で身体を酷使する事は避けたいですから、利き腕の逆=左手だけを使って塗っています。車体の頃は左手を使う場面がありましたが、小物の塗装だと小さい範囲での精度が要求されるので、左手でスプレーガンを使うのはとても久しぶりです。お陰でこんな作業でも楽しめたりしました。

という感じで全面塗りが完了です!

使ったのが普通の口径1.3mmIWATA低圧ガンという事もあってかなりダルいまあまあ時間は掛かりましたが、一斗缶で容器を作ったりローラーの準備をしたりしなくて済んだのが非常に楽!という事で、今後この方式を続けようと思います。材料費が¥1,500で済みますし、業廃棄物処理代も掛かりませんからね。

比較的薄膜なので(1コートのみ)、翌日には上も歩ける状態でした。

さすがラピッドクリアーというか、適当な塗装でも無駄に素晴らしい艶が(笑)。

その後はいつもの通り壁のビニールを張り替え、

塗るとベタベタになる液体を壁の上部に塗り付けます。最初の頃は壁全面に塗っていましたが、床を洗う際に壁も一緒に水で洗い流すシステムに変えたのでこれの消費量もかなり少なく済んでいます。

ブース床の塗装はぶっちゃけ塗装の品質には程んど関係ありませんが、撮影した画像を見た人の印象はそれだけで良くなると思いますし、あと作業者(私)のモティベーションも上がるので結構好きな作業です。床に照明が映り込むと2001年宇宙の旅を彷彿させますよね!(判りませんか…)。


 

ヤマハセロー カウル塗装 本塗り

先日下準備を行っていた私物のヤマハセロー(DG17)カウル一式です。一年の締めという事で自分の物を塗らせて頂きました。

シートカウルは下部に黒い梨地パーツが溶着カシメしてあって、仕事だったら外して塗るところですが、自分の物なのでマスキングで対応する事にしています。

被塗面は未塗装で、白いPP=ポリプロピレン素地となります。

こちらは中古で買ってボロボロだったライトカバーですね。中央の穴はドライブレコーダーのカメラを嵌るために開けた物となります。

フロントフェンダーは元々車体に着いていた黒い物で、こちらもサフェで下地を整えておきました。

まずは裏側にプラスチックプライマー→ベースコート を塗布します。これは今回違うルートで調べたので定かでは無いのですが、純正品番は3C5-21721-30、一個¥1,760で買えるみたいです。ちょっと安過ぎる気がするので、多分何かの間違いだと思うのですが・・・。

こちらはフューエルタンクの横に着くカバーで、左右どちらか判らないのですがヤマハの品番は3D7-2137X-00、こちらも違うルートから調べた金額は¥4,860でした。

ここまでのベースカラーは黒=STANDOX原色MIX571となります。

そして今回塗装する色です。ぱっと見は焦げ茶色に見えますが、

光が当たるとオレンジからゴールドに変化する光干渉型のパールとなります。

今回のセローは派手な色にはしたくは無く、ただ余り流通していない色という事で、海外から取り寄せたパウダー顔料をSTANDOXのベースコートバインダー(MIX599)に入れて使うことにします。

が!今まで小さい物にしか塗っていなかったから判らなかったのですが、大きい面積になると結構派手な気が・・・。

まあでも車(四輪車)と違って主に見えるのは側面ですから、車体に装着されればさほど派手さは感じ無いのでは、と思ってます。多分、きっと・・・(恐)。

最初は大根おろしで削ったみたいな状態だったこちらのカウルはパテとサフェで修正してあって、やはりと言うか自分の手で直せるというのはとても楽しい事ですね。

ちなみに今回は単に自分の楽しみの為!という訳では無く、ちゃんと仕事の一環にもなっています。

というのも、

現在主に使っているクリアー(クリスタルクリアー)とは別に、さらに高品位な物を導入しようという事で、知り合いの塗装屋さん(アッソガラージュさん)の紹介で、同社STANDOXのVOCエクストラクリアーを取り寄せてみました。いつも役立つ情報有難うございます!

今まで使っているクリスタルクリアーはとても気に入っているのですが、そちらに使用しているハードナーは一昔前のシステムの物で(MS)、いずれこの製品は廃盤になってしまう筈ですから、今のうちにこれに置き換えられるクリアーを使って慣れておこう!という作戦です。

と言う訳で本塗り完了です。やはりと言うかまあまあ派手な色で、まあでもマジョーラのラインナップに比べると比較的大人しい感じですし、中々見ない色という事でこれはこれで良いかと思います。

ちなみにVOCエクストラは基本的に1.5コート吹きですが、希釈率を規定の5%→10%にして2コート仕上げにしています。多分そういう所でVOC規制を抑えているのだと思いますが、そもそも塗料使用料が極めて少ない場末の小物塗装屋ではこの辺の事情は余り関係ない感じで、今回のカウル一式も四輪車で言えばドア1枚分程で済んでしまっています(主剤150g+硬化剤50g+シンナー20g)。

今回作ったクリアーの配合は乾燥が比較的早めの設定ですが、それでも塗り終わってからのレベリングは延々続くような感じで、

案の定、フェンダー先端から雫状のタレが発生していました。

まあでもこれもデータ取りの一環で、この後指でタレを拭き取る(と言うか表面張力で指に移動させる)というような事をやっていて、後日ここにエアー噛み(気泡の混入)等が起きたりしないかをチェックしています。結果はまったく問題ありませんでした。

そして翌日の余ったクリアーですが、

この時期(気温8℃以下)でも、翌日の朝にはしっかり固まっていました。

というのも、クリスタルクリアーの場合は次の日でも「もしかしたらもう一回使えるのでは?」という程に液体なままですから、となるとこちらもVOCプラチナクリアー同様、促進剤の類が入っているのは確実だと思います。ただ私的にはこれが余計な気もするのですが・・・(促進剤を入れたい時は自分の意志で使いたいです)。

完全硬化後のクリアー光沢感は素晴らしく、イメージとしてはクリスタルとプラチナの中間といった感じでしょうか。

今後さらにデータを取って、徐々に移行していこうかと思います。まずは車体に装着しての暴露テストですね!

測色機アクワイヤーRX

知り合いの塗装屋さんが、新型の測色機=アクワイヤークァンタムを購入されたとの事で、今まで使っていたこちらのアクワイヤーRXを譲って頂きました。元々かなり高額な物なので、中古品として売ってもかなりの金額になると思いますが、「クアンタムに買い替えたら高畑さんに使っていただこうと前々から思っていましたので」との事でこの度譲り受ける運びとなりました。景色が滲んでしまい、色が上手く見れません。何とお礼を申し上げれば良いのか・・・!

測色機については以下のオフィシャルサイトで紹介していますので、興味のある方は是非どうぞ(多分何のことか全く判らない方の方が多いと思いますので)。

アクワイヤー™クアンタムEFX

ちなみに今回こちらのアクワイヤーを送って頂いた塗装屋さんは、実は以前当ウェブサイトにも登場していて、その時はわざわざ名古屋から当工場までお越し頂いていたりもしました。2年前のオートサービスショーに一緒に行った方で、日付を見てみるとあの時からまだ2年しか経っていないんですね。たった2年前のそこには、まだコロナ禍じゃない世界があったなんて何だか驚きです。

機械の状態が良いのは勿論、付属品も全て揃っています。オートサプライヤーさんも「え?コレくれたんですか?」と驚いていました。

  ソフトのインストールに関しては、いつもお世話になっているSTANDOXのデモマン(テクニカルアドバイザー)の方がわざわざ来てくれて、新しいVer.をインストールして貰いました。皆さまには何から何までお世話して頂いて本当に感謝です。画面が滲んでしまい上手くタイミングが出来ません・・・(笑)。

ちなみにこの測色器、本来であれば自動車のボディに機械の下部にあるレンズを当てて計測(測色)するのですが、当店では車体は扱っていないので(そもそも車が入る工場ではありませんので)、

自作の色見本を使ってテストをしてみる事にしました。ちなみに配合データは私個人が作った独自の物なので問題ありません。

プレートから色板を取り外し、これにセンサー(カメラ)を当てて測色します。

ちなみに機器の下にはボタンが2つ着いていて、それが被塗面に当たって押し込まれていないと測色を開始出来ません。サイズが小さかったり、曲面部分だと使えないので、自転車フレームなどには難しいと思います。また計測出来たとしても平面じゃないと誤差が出てしまうとの事です。

測色したデータに名前を付けておきます。データの採集って意味も無く楽し過ぎます。

ソフトを起動し、アクワイヤー本体とPCをUSBケーブルで繋ぐと、測色したデータがPCに転送され、既存のデータの中からそれの近似色を表示してくれます。科学的に塗膜の顔料を分析すると言う訳では無く、膨大な量の色見本を機械学習させた中から似たような色を選び出す、といった感じでしょうか。

と言う訳で、似た色の配合データをプリントアウトしてみました。元々私が使った原色とは違った内容となりましたが、時間が出来たら実際にこのデータを使って色を作ってみて比較してみようと思います。違う方向からアクセスして答えの擦り合わせをするような作業が私的に大好きなので、今から楽しみで仕方ありません。

あとは他に何か出来るのは無いかな~と思って、その辺に置いてあった色見本で試してみる事にしました。以前塗装しておいた大き目の色相環のピースですね。

測色器で読み込んだデータを見てみると、やはりと言うか余り一致したデータがありません。まあこんな色をした車は普通無いですから仕方ありませんかね。

と思いきや、画面の下の方を見てみると・・・、

おおおお!私が作った配合と全く同じ数値が!

どうやら車体色とは別に、スタンドックス独自の配合データに引っかかったようです。

こちらの色相環10時を示す色は、私がMIX567:MIX570=1:1の配合で作った色で、100%同じ配合なのは間違いありません。なんて素晴らしい・・・!

 

ちなみに今回のアクワイヤーを寄贈して頂いた塗装屋さんですが、こちらは愛知県のAssoGarage(アッソガラージュ)さんなるボディショップで、こんな変態な事をやっている所が在ったのか・・・と思っていたところ、(確か)先方からお声を掛けて頂き、お互い情報のやり取りを行って今日に至ると言う訳です。(元)同業だから判りますが、こんな事をしているボディショップは見た事がありません。今は仕事が忙しくてblogの更新が滞っているようですが、遡って見るだけでも楽しいと思います。

自動車板金塗装 AssoGarage(アッソガラージュ)のblog

ちなみに上記の画像は、Assoさんのサイト内画像検索のキャプチャー画像で、自分好みの記事を探したりする場合はこの方法が便利で気に入っています。検索バーの末尾にスペースを空け、探したい情報=例えば「エポキシ」と入れると、そのキーワードを含んだ記事のサムネイル画像が表示されます。当ウェブサイト内のブログで頻繁にリンクを貼れるのはこの機能のお陰ですね。

 

今回譲って頂いたアクワイヤーは、私一人の手には余る所があるので、まずはオートサプライヤーさんにも使って頂くような感じで、またその後いつになるか判りませんが、工場をオープンに出来るようになったら、知り合いの塗装屋さんなどにも使って頂けるようにしようかと思っています。

今まで出来なかった事が色々と試せそうで超絶楽しみです!

色見本プレート作成

一時期に比べると色見本を作る機会は大分減りましたが、それでも新しい色を作った時には後でそれが再現できるよう、極力サンプルを残すようにしています。

この時はマイク塗装のご依頼で、サンプルとしてご提示頂いたパンプスの画像に合わせ、薄いピンクのメタリック(キャンディーカラー)を作成しました。

もっと粗いメタリック(ラメ)もあるのですが、それを埋める為にクリアーを厚塗りするとホルダーに挿したマイクが抜けなくなる(または塗膜がズレる!)という事態になる恐れがある為、当店では基本的にSTANDOX原色の使用に留めています。

こちらはつい最近仕入れた顔料等です。左下はスバルSTIのエンブレムバッジを参考に作ったチェリーレッドですね。

こちらはオレンジとピンクに変化する顔料で、パウダータイプの物を海外から取り寄せ、スタンドックスの樹脂に混ぜて使っています。

先ほどのピンクですが、角度が変わるとこのようにゴールド(オレンジ)になります。

こちらは一見するとただの黒に見えますが、

見る角度によってはマルーン系の色に変化します。少し前に紹介した、知り合いの塗装屋さん(GUNさん。笑)が使っていた物と同じような顔料だと思います。

こちらも同じように見えますが、先ほどより少し青味があります。

同じマルーンでも青味が強くなった感じですね。

派手さは無いのですが、パールの粒子が細かく、上品な感じです。

今までは自分の仕事の為に色見本を作成していましたが、

意外と「この塗料を売って欲しい!」という方が多く、また最近ウェブショップで自作した製品の販売が好調な為、今後はそういった事や、さらには樹脂を変えてプラモデルに使える塗料(1液型アクリル樹脂塗料)なども販売していこうと考えています。

STANDOXから配布されている配合データは著作権があるので出せませんが、ご希望があればそれで作った塗料の販売などもしていこうと思います。