HARO自転車フレーム 下地処理

haro12HAROのアルミフレーム&スチール(クロモリ?)製スイングアームは、想像以上に腐食による侵食が多く、結果画像のように全体的にポリパテで拾っている状態です。これを研いで直接本塗りにはいけそうもありませんので、だったらという事でもう一度サフェーサーを塗るのを覚悟して、ペーパーは#320を使うところを#180~#240に切り替えて全体を研ぎ落とします。

ちなみに「だったらサフェを塗る前にパテを塗っておけば」と思いそうですが、防錆面を考えると実はそれは間違いで、やはり最初にプライマー(今回はエポキシプライマー+ウレタンプライマーサフェーサー)を塗ってからパテを塗るのが正解です。塗料メーカーのマニュアルにも(多分)そう書いてありますが、ただ実際そんな事をしていると会社が傾くので普通はそうはしませんよね(しかしお陰でうちは・・・苦笑)。

ちなみにSTANDOXでは昔はパテを塗る前に使う専用のプライマーが存在したのですが(今となっては幻のRED BROWNです)、今はそれの代わりに1Kプライマー+サフェーサーといった仕様になっているみたいです。まあどちらにしても面倒過ぎるので普通はしていませんよね。作業自体は単純な事ですが、実際それをやろうとすると凄く大変ですので(大変です)。

haro13 と言う事でサフェ研ぎ完了です。こちらはアルミ製のフレームで、見ての通り侵食された箇所にパテが残っているのが判ると思います。ちなみに腐食が多発している所はアルミとは違う金属(スチール)が付いていた箇所で、穴の部分はブラインドナット、チューブの所はディレイラーのステーが鉄だったのではないでしょうか。これは単に鉄が錆びたと言う訳では無く、まさに電蝕のお手本みたいな感じです。イオン化傾向の順番からして、鉄よりも先にアルミの方が腐るようになっていて、この特性を活かしたのが亜鉛鋼板です。亜鉛が鉄の代わりに錆びてくれるのですが、亜鉛は錆びても酸化鉄のようにボロボロにはならないので良い犠牲皮膜になってくれているのです。ROVER MINIやハーレーのスチール製フェンダーの錆が酷い理由は、使われているのが亜鉛鋼板では無く普通の鉄だからですね。塗装があれば錆びませんが、ちょっとした飛び石傷で素地の鉄が露出してしまうとそこから菌糸状に塗装の下で錆が広がっていくのです。これが本当に厄介でして・・・。

haro14 こちらはスチール(またはクロモリ)のスイングアームです。全体的にポツポツしているのはやはり侵食された箇所でポリパテが詰まっています。よく脱脂洗浄をしたらサフェーサーを塗布します。

haro15と言う事でようやく普通の下地になりました・・・(惚)。パテが拾い足りなかった箇所には余ったサフェーサーを筆指しして埋めておきます。

これが完全硬化したら今度は#320→#400→#600(の代わりに実際はアシレックススカイ#320)→#800(アシレックスレモン)といった研ぎを行い、ブラインドナットを今度は電蝕しないようエポキシを塗って通電しなくしてカシメ、いよいよ次は本塗りとなります。

どうぞもう少々お待ち下さいませ!