HARO自転車フレーム塗装 完成

haro16 大変お待たせしました!HAROのアルミフレーム&スチール(クロモリ?)スイングアームの2点、本日完成となります。長らくお待たせ致しました。
haro1こちらは最初の状態で、元々は赤いフレームだった物に白を自家塗装されていたようです。画像だと綺麗に見えますが塗膜の下には錆があって、とにかく下地処理が大変な作業ではありました。

haro17 色についてはお貸し出しした色見本帳より選んで頂いたVW社のSUNSET ORANGE(カラーコード:LB2A)となります。

haro18 クリアーは高品位なクリスタルクリアーに変更で承っていまして、画像だと凄い艶に見えますが実物はもっと凄い艶だと感じられると思います。とても年代物のフレームには見えないかと・・・。

haro20塗膜を剥がして見つかったヘッドチューブのヒビ割れは専門のショップさんに修理して貰っていますので、言われなければ(言われても)直した部分は判らないと思います。私としても一安心です(見つけた時は全てが中止になるかと思いましたので・・・)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠に有り難う御座いました!

HARO自転車フレーム 本塗り

haro3 ここまで大分長い道のりになりましたがようやくこの日を迎えることが出来ました(って何か変ですか)。HAROのフレームは無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。

haro4サフェ研ぎの際に素地が露出した箇所 と、最後に打ったスチールのポップナットにプライマーを塗布します。

haro5 ベースコートを塗布し、クリアーを塗ったら本塗り完了です。お待たせしました!

haro6 色はVW系のサンセットオレンジ(カラーコード: LB2A)で、クリアーはクリスタルクリアーで承っています。

haro7 難しかったのがスイングアームの方で、各部に補強のステーがある為にスプレーでアクセス出来るところがかなりシビアです。向こうのステーの裏側はこの穴から狙い打たないと塗れません・・・。

haro8フレームに比べるとスイングアームの方が補助的な物なので安価に出来ると思いがちですが、サフェ研ぎにしても塗装にしても余程こちらの方が手間が掛かるので費用も大きくなりがちです。塗装は面積で費用が決まるのでは無く作業時間からの算出で、例えば10cmの物が1万円で塗れるとして、1cmの物が千円で塗れる訳では無いのです(むしろ小さい方が高くなるケースもあります。フェラーリの鍵なんかが良い例ですね。フェラーリだから高い訳では無く、時間が掛かるのです)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

HARO自転車フレーム 下準備

haro 先日二度目のサフェーサーを塗布していたHAROのアルミフレーム&スチール製スイングアームです。全体にガイドコートを行い、二度目のサフェ研ぎを行います。ある程度下地は出来ているので#320は控え、#400→#600→#800といった感じで鳴均していきます。

haro1 サフェーサーが研ぎ終わったら全体を脱脂清掃し、最初に外しておいたポップナット(ブラインドナット)を取り付けます。こちらは元々スチール製の物が付いていたのでそれ通りに行います。

ちなみにスチール製のナットならかなり力いっぱいカシメてもネジ山が飛ぶと言う心配は無いですから、いつも固定の補助として塗っている構造用エポキシ接着剤は必要無いのですが、これはまあ防錆の為みたいな物です。防水性もそうですが、異種金属が通電してしまうとそこから腐食が出てしまうので金属同士が直接くっ付かないようにする為ですかね。ちなみに気を使ってくれる板金屋さんはリベット一つ打つのにもちゃんとシーラーを塗ってくれていたりします(ディーラーに居た時の事ですがそんな事をやっているのは一人だけでしたが)。

haro2ナッターで固定後、一応ボルトを入れて空回りしないかチェックしておきます。

既に本塗りも終えていますので後ほどそちらも紹介しますね。もう少々お待ち下さいませ!

HARO自転車フレーム 下地処理

haro12HAROのアルミフレーム&スチール(クロモリ?)製スイングアームは、想像以上に腐食による侵食が多く、結果画像のように全体的にポリパテで拾っている状態です。これを研いで直接本塗りにはいけそうもありませんので、だったらという事でもう一度サフェーサーを塗るのを覚悟して、ペーパーは#320を使うところを#180~#240に切り替えて全体を研ぎ落とします。

ちなみに「だったらサフェを塗る前にパテを塗っておけば」と思いそうですが、防錆面を考えると実はそれは間違いで、やはり最初にプライマー(今回はエポキシプライマー+ウレタンプライマーサフェーサー)を塗ってからパテを塗るのが正解です。塗料メーカーのマニュアルにも(多分)そう書いてありますが、ただ実際そんな事をしていると会社が傾くので普通はそうはしませんよね(しかしお陰でうちは・・・苦笑)。

ちなみにSTANDOXでは昔はパテを塗る前に使う専用のプライマーが存在したのですが(今となっては幻のRED BROWNです)、今はそれの代わりに1Kプライマー+サフェーサーといった仕様になっているみたいです。まあどちらにしても面倒過ぎるので普通はしていませんよね。作業自体は単純な事ですが、実際それをやろうとすると凄く大変ですので(大変です)。

haro13 と言う事でサフェ研ぎ完了です。こちらはアルミ製のフレームで、見ての通り侵食された箇所にパテが残っているのが判ると思います。ちなみに腐食が多発している所はアルミとは違う金属(スチール)が付いていた箇所で、穴の部分はブラインドナット、チューブの所はディレイラーのステーが鉄だったのではないでしょうか。これは単に鉄が錆びたと言う訳では無く、まさに電蝕のお手本みたいな感じです。イオン化傾向の順番からして、鉄よりも先にアルミの方が腐るようになっていて、この特性を活かしたのが亜鉛鋼板です。亜鉛が鉄の代わりに錆びてくれるのですが、亜鉛は錆びても酸化鉄のようにボロボロにはならないので良い犠牲皮膜になってくれているのです。ROVER MINIやハーレーのスチール製フェンダーの錆が酷い理由は、使われているのが亜鉛鋼板では無く普通の鉄だからですね。塗装があれば錆びませんが、ちょっとした飛び石傷で素地の鉄が露出してしまうとそこから菌糸状に塗装の下で錆が広がっていくのです。これが本当に厄介でして・・・。

haro14 こちらはスチール(またはクロモリ)のスイングアームです。全体的にポツポツしているのはやはり侵食された箇所でポリパテが詰まっています。よく脱脂洗浄をしたらサフェーサーを塗布します。

haro15と言う事でようやく普通の下地になりました・・・(惚)。パテが拾い足りなかった箇所には余ったサフェーサーを筆指しして埋めておきます。

これが完全硬化したら今度は#320→#400→#600(の代わりに実際はアシレックススカイ#320)→#800(アシレックスレモン)といった研ぎを行い、ブラインドナットを今度は電蝕しないようエポキシを塗って通電しなくしてカシメ、いよいよ次は本塗りとなります。

どうぞもう少々お待ち下さいませ!

HARO自転車フレーム 旧塗膜剥離~割れ修理

haro5 大変お待たせしております。すっかり登場していなかったHAROのBMXフレームですが、その間に色々あって現在は無事サフェーサーの塗布まで完了しております。

上の画像は少し前の状態で、いつもお世話になっているサンドブラスト屋さんより旧塗膜の剥離~腐食の除去を行って貰って戻って来た状態です。いつもながら素晴らしい仕事で本当に助かっています。

haro6 ただ塗膜を剥がして判ったのですが、どうやらヘッドチューブの上側の内側に亀裂が入っているのが確認出来ました。最初に確認したつもりだったのですが、恐らく既存の塗膜とさらにその上に自家塗装の塗膜があったので気付けなかったようです。大変失礼しました・・・。

と言う事で急遽これを修理できる所を探してオーナー様に御提案したところ、快く御許諾頂きましたのでこの後そのショップに修理をお願いする事となりました。そこから二週間後が以下の画像です。

haro7 こういった自転車フレームの割れについては私も初めての事でどうした物かと思ったのですが、画像等を送って問い合わせた所修理可能との事で無事修理されて戻って来ました。いやはや本当に助かりました。

haro8担当していただいたショップの方曰く、比較的古い時代のフレームは新車時にちゃんと削られていないとの事で、径のサイズが小さくこういった割れは良くあるらしいです。 本来は33.9mm前後の内径との事ですが確かに測って見るとそこまでありませんでして・・・。

ちなみに今回こちらの割れを修理していただいたのはGoGo Wheelersなる自転車ショップさんで、こういった修理やハードな加工も得意のようです。以前から当店の事も知っていて頂いたとの事で恐縮で御座います。この度は誠に有り難う御座いました!

既にサフェーサーの塗布まで完了しておりますので続けて紹介しますね。