TREK MTBアルミフレーム塗装完成

大変お待たせしました！トレックMTBのアルミフレーム塗装、本日完成となります。

最初の画像も紹介しますね。

元々はこんな感じの艶消しグレーメタリックカラーで、全体にはそれなりに傷もありました。

色はトヨタ純正色のシルバーメタリック（カラーコード：1F7）で、アルファードやランクルなどに採用されている色です。正面が明るく透かしが黒いシルバーの原色（MIX812）をメインに構成された色なので、コントラストが強く金属感のあるシルバーになっています。

既存の塗膜は一旦全て剥離し、「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理の工程を経ています。一部深い傷があった箇所のみパテを使いました。

派手な装飾などはありませんが、塗装の基本的な事を重視しているのでパッと見た時の印象が良いと思います。自転車フレームの新車塗装の場合は何度か塗り重ねる工程で恐らく「研ぎ」を行っていないので、一見艶があっても雰囲気の悪い塗膜になってしまっているのだと思います。特にカーボンフレームは殆どがそんな感じですよね（ただしコスト上で仕方ないとは思いますが）。

ちなみに車（四輪自動車）の事故修理のような「元に戻す」塗装の場合、内容がシンプルなだけに気にする点は結構細かく、例えば色を一つ作るのにしても調色作業に丸一日掛けてしまうような事もありますし（と言うか１日で出ないなんて事もありますので・・・）、ちょっとした傷の取り残しやゴミの混入、メタリックムラなど、普通に見ても判らないようなことでも塗り直しをするケースはよくあります。塗装は気にするとキリが無く精神的に疲れるので、５年目くらいで半分以上の方が辞めてしまうような職業だったりしまして・・・（私ももう無理だと思って小物にしました）。

ちなみにさすがにここまで塗りこむと垂らす箇所もあって、そういった所は硬化した後に磨いて処理してあります。中には致命的なタレになってしまう場合もあるので、そういった場合は塗り直す事もあります。

今回は垂らした箇所以外は磨き処理をしていませんが、例えば肌を荒らしてしまった場合でも磨き処理である程度はカバー出来るのですが、自転車のような形が複雑な場合はペーパーが入れ難かったり、ポリッシャーが使えなかったりと綺麗に磨き難いので、私的には肌を荒らしてしまうよりは垂らしてでも艶々に仕上げる方がマシと考えています（車の場合はまた別ですが）。