先クリアーの下塗りを行ったTIMEのカーボンフレームとフォークです。その後熱を入れてクリアーを完全硬化させておきました。
・全体を研磨して肌を均し、再び細部まで足付け処理
・傷の部分をタッチアップ
・大きい「TIME」のロゴ7カ所をマスキングして新たに白で塗り直し
・再び全体にクリアーを塗装
となります。
全体に小傷があるので、そういった個所はスプレーでは無くタッチアップで拾います。勿論スプレーでも出来ますが、その場合は各ロゴをマスキングしたりして避けなければならなく、また小傷はフレーム(とフォーク)全体に散らばっていますので結果フルマスキングでの対応となりますからコスト面で現実的ではありません。また色の作成もこんな簡易的の方法では無く、毎回色板にスプレーして確認する必要があります。
と言う訳でとりあえずはタッチアップ用の色を作っておきました。「TIME」のロゴに塗る白は色見本帳から選んでいますので、そちらは後日計量器を使って配合データから作成します。
そう言えばと言う事で、下塗りクリアーを塗った後のフレームを計量しておく事にしました。現状は1087.4グラムとなります。
下塗りを行う前は1071.5グラムで、現在は1087.4グラムです。尚ボトルゲージなどのナット穴にはマスキングの為にイモネジを6本入れていて、それが一個当たり約0.4グラムなので合計2.4グラムを差し引き、
下塗りクリアー分=13.5グラムとなります。かなり軽く思うかも知れませんが以前cannondaleのフレームで計測した時もこんな感じでした。そう言えば先日読んだレクサスの製造工程を紹介する本では確か通常の溶剤ベースコートで固形分(樹脂+顔料)が3~4割程と書いてあったので、比重に重い顔料分が入っていないクリアーでは1~2割くらいしか無いのだと思います。
またここで紹介している本塗り後の画像では随分とタップリクリアーを塗っているように見えますが、実際は低圧ガンを使ってガン距離を異様に近くして肌目を作らないようにしているので(被塗面とガンとの距離は5cm以下くらいです)、パッと見は塗膜の厚みが付いているように見えても実際はかなり薄くなっています。今行っている塗装は以前行っていた車体補修塗装の「新車肌の再現」とは違うのでSATAガンとかを使う必要は無いのです。SATA=外資系の高粘度なクリアーを使って新車肌を作るのにはとても素晴らしいガンなのですが、適正エアー圧が非常に高く、使用するクリアーの量も半端無いので今は使っていません(そもそも今のうちの排気浄化装置では容量が足りません)。
それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!