先日本塗りを終えていた日産L型6気筒エンジンのヘッドカバーです。その後凸部を研磨して光らせ、露出したアルミ素地にクリアーを塗っておきます。
そしてクリアーが完全硬化したら完成となります。お待たせしました!
NISSAN2000の文字は元々違う文字だったらしく、それを削り落として新たにアルミ板で作成した物が貼ってあったのですが、旧塗膜を剥離する際に溶剤槽に浸けておいたら全部剥がれてしまいました。ですので改めてそれらを回収し、今回は構造用エポキシ接着剤で取り付けておいたのでもう今後は剥がそうとしても剥がれないと思います。
凸部の研磨は極力エアーツールには頼らないようにしていますので、各部のエッジはしっかり立って平滑に仕上がっていると思います。
天面は殆どがアルミ素地になるので、結晶塗装の見た目としては側面の方がメインになる感じです。
最初の状態も紹介しますね。
元々艶ありの黒で塗られていたのですが、下地処理は行わずそのまま塗られていましたので、アルミの素地が粗がそのまま出ていた状態でした。艶あり仕上げで美しく見せるにはそれ相応の下地処理が必要で、それを行うとS20のヘッドカバーのように美しい仕上がりにする事が出来ます(ただしコストは相当大きくなりますが…)。
結晶塗装のメリットは、先ほどのような粗い素地のままでも単に塗るだけで美しく見せる事が出来る事です(ただ勿論限界はありますが)。
こちらは今回見本として同梱して頂いた塗膜片で、塗装屋の視点からすると到底同じ色とは言えませんが、多少なり雰囲気は似せられたと思います。
最初のような角が丸くなったような研ぎはしていませんので、全体的にカチっとした雰囲気を感じられると思います。
私も最初の頃はそうだったのですが、面研にエアーツールを多用すると角が取れてしまい平滑な面が出ません。シングルアクションは勿論、ダブルアクションでも同じです。とにかく固い当て板を使ってしっかり#120から手研ぎで始めるとエッジが立ったシャープな仕上りになります。ただ手研ぎでそれぞれのペーパー目を消す作業は結構大変なんですけどね。