先日下準備を行っていたNCロードスター(とその他の)テールランプです。
うっかりしていましたが、台に乗せて塗装する前の画像を撮り忘れていました。大変失礼をいたしました・・・!
御指定の濃度は「薄目」で、この時の画像を参考に含有量を下げた薄いスモークを塗り重ねて調整します。
今回は元々「極薄目と薄目の中間」で塗装されていた物なので、それを半段階濃くするような感じです。微妙な違いなだけに調整に気を遣います。
塗装は見る角度によって色味が変わって見えますが(フリップフロップ性)、被塗物の構造自体に大きく影響される透過性塗装はさらにそれが大きくなりますので、一方向だけに囚われず、全体の雰囲気を感じながら濃さを調整しています。感覚的な事で物事を決めるのは私的に好きでは無いのですが、毎回違う物を塗る事になるのでこの辺はどうしようも無いですかね。手作り品でよくある謳い文句に、「すべての工程を手作業で行うので二度と同じ物が出来ません」とかをポジティブな感じに言えたらどんなに楽になるのかと・・・。
という感じで緊張で吐き気を催しながらベースコート(スモーク)を小刻みに塗り重ね、私的に思う丁度良い濃さになったら、
クリアー自体は通常の塗装と変わり無いので、ベースコートよりむしろこちらの方が気は楽です(とは言ってもこれは良い塗料のお陰でもあるのですが)。
クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。
昔ディーラーに勤務して車体を塗っていた時は、DUPONT(現CROMAX)のS690というクリアーを使っていて、そちらもレべリングが良く垂れにくい良く出来たクリアーだったのですが、休日に行っていた町工場のアルバイトでは10:1のクリアー(パナロック)を使っていて、「肌が出来ないのに垂れ易い」という、外に出なければ知らなかった経験を色々とさせて頂きました。クリアーが柔らかくて磨き作業が本当に楽だったのを今でも覚えています(あれだったら体もここまで痛めなかったのではと・・・)。