ドアウィンドウスイッチパネル 調色

先日サーフェサーを塗っておいたリヤドア用ウィンドウスイッチパネルの色見本としてお預かりした、塗装済みのカバーパネルです。

使われているシルバーは粒子が細かく、それに該当する原色としてSTANDOX SPF906シルバーと、

同社MIX818を採用する事にしました。

ちなみに4輪車のボディカラーであれば、各メーカーから配合データが配布されているのでそれ通りに作ればある程度近い色が作成する事が出来ますが、一部の二輪車や自転車、今回のような内装色はまず配合データが存在しないので、まずは使われている原色を割り出す事からの作業となります。平面で艶があって多少なりの面積があれば測色機を使う事も出来るのですが、何故か中々出番が無いんですよね・・・。

それぞれの原色を希釈し、色板に塗ってメタリックの質感を確認し、それに色味を足していきます。

塗って足しては元に戻しを繰り返し、色を調整していきます。

原色のままのシルバーメタリックに比べると、若干青味があるのが特徴のようです。

艶消しのままだと判り難いので、途中には艶を出して色味を確認します。ただ見本の塗装はクリアーが塗っていない塗装と思われますので(ベースコートのみ)、これに溶剤を着けると色が落ちてしまう可能性がありますから、そちらには石鹸水を、塗装した色板の方にはシリコンオフ(溶解力の弱い溶剤)を塗って艶を出します。

クリアーの塗っていない色と、クリアーを塗った色では色の見え方が変わってしまうので、本来であれば実際に本塗りを行うのと同じように艶消しクリアーを塗って完全硬化させて色を確認する必要があるのですが、それを行うと調色作業以上に時間と手間が掛かってしまう為、今回は調色作業のみとしています。少し前に紹介したインプレッサのステアリングスイッチカバーのような場合はかなりのレアケースです(通常のの自動車塗装屋さんでもそんな事は普通しません)。

と言う事で、使用したのは高輝度メタリックのJLM-906と、ブラック原色のMIX571、標準的なブルーのMIX859(透かしの赤味の少ない青)となりました。これに当店規定の艶消しクリアーを使用します。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!