エメラルドグリーン調色

 ご依頼を頂いていたマイクの塗装に使った、ロゴを印刷したデカールです。いつものようにALPS社のMDプリンターを使って作成しました。

 下色にシルバーを印刷し、その上にシアン、イエローを重ねています。

今回のご依頼では「このロゴの色に合わせたエメラルドグリーンでマイクのグリルを塗装」といったご指定だったので、この印刷した色に合わせて色を調色する事にしました。

尚、MDプリンターを使ったデカールの作成についてはこちらの記事が判りやすいかと思いますので宜しければご参照くださいませ。

 こういった場合は適当にグリーンとブルーを混ぜて作ってしまえば手っ取り早いのですが、当店の場合「前回依頼した色と全く同じで!」や、「ウェブサイトで紹介しているあの色と全く同じに」といった、まるで背筋が凍るようなご指定を頂く事が多く、なので今回もその場のノリで色を作ったりはせず、しっかりデータとして残すようにしました。念の為ですが配合データが無い場合、全く同じ色を作る事は不可能です。

上の画像はどちらもハウスオブカラーの塗料を使って作った色見本で、左がKK-09オーガニックグリーン100%、右は少し前にお納めした64 AUDIO Fourte Noirのイヤホン塗装の為に作った、KK-09とKK-04を混ぜて作った色見本です。

今回はこれらを参考にして色を作ります。

 実際には「調色」と言う程の作業では無く、先ほどの色見本から大体を予想して配合率を決めて2種類を作っています。

 左がグリーン:ブルー=4:1で、右がグリーン:ブルー=2:1です。

色味的には右の方がエメラルドグリーンっぽくて良いのですが、今回はデカールの印刷色に合わせるので左の色を採用する事にしました。

 こちらがグリーンが多い方です。

こちらがブルーが多い方です。

そして本塗りです。

印刷と塗装を比べる物ではありませんが(そもそも全く違う物なのでどうやっても同じにはなりません)、概ね良い具合にはなったと思います。

 既にマイクはお納めしていて、その後それぞれの色見本もいつものようにプレート化しておきました。

色見本プレートの作成についてはこちらの記事が判りやすいと思いますので宜しければどうぞ。

 塗膜構成は印刷と同じく、下地にシルバーを敷いた3コートキャンディーカラーとなります。

キャンディーカラーの場合、下色を調整する事でも色を変える事は出来ますが、そこに手を出すと天文学的な組み合わせになってしまうので、基本的にはそこは弄らないようにしています。

今回は印刷した色に合わせて塗料(の配合データ)が作れたという事で、これはいずれ役に立ってくれる日が来ると思います。と言うかこういう事にも結構なコストが掛かっているので、役に立ってくれないと困る訳です(笑)。

あ、でも現在入っているマイクの塗装でもこれらが大いに役にたってくれまして、いずれ海外から観光で来られた方が実際にこれらの色見本を見てそこでオーダーし、作業工程はブログで紹介~完成品を国際便で発送する!という日も来るかも知れません。まあ現状既に手一杯なのでそんな事する予定もありませんが・・・。

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