以前ご依頼頂いたロータススーパーセブン用のプリプレグカーボン製(ドライカーボン)の外装パーツ一式です。
最初にご相談を頂いたのはこの時から一年くらい前で、プリプレグカーボンの成型品そのままの状態だと非常に塗装のコストが上がってしまうので、一旦専門のショップさんにてこの状態にまで仕上げて頂きました。恐らくはUV硬化型のポリエステル樹脂と思われます。
こちらがプリプレぐカーボンの最初の状態で、これを艶々にするまでの作業も実際に当店で試してはいました。
当然ですが一度のクリアー塗装では繊維の凸凹はそのまま残ります。
1工程でクリアーを数コート(恐らくは4コート程)塗布し、一旦熱を掛けて完全硬化させます。
その後ペーパーを掛けてある程度平滑に均し、さらにクリアーを塗ります。
色に関してはこちらのグリーンメタリック(色はメルセデスのカラーコード6836)をご指定されまして、さらにですが、下地のカーボン繊維目を残して欲しい(!)と言うかなり特殊なご依頼でした。
クリアーの下塗りで艶々にしたプリプレぐカーボンに、先ほどのグリーンメタリックを下地が透けるように塗っています。
色はそのままだと簡単に下地を隠ぺいしてしまうので、バインダー(樹脂)を増やして塗料中の顔料含有量を減らし、さらにコート数を変える事で色味(カーボン地の透け方)を調整しています。
これらのテストピース作製を経て、それから約一年後に最初に紹介したパーツ一式が搬入されたと言う流れです。
下地は出来ているので、後は表面を研磨して足付け処理をするのみとなります。
場所によってはタレなどもありますので、その辺も一緒に処理しておきます。穴が開いているよりかはこの方が全然マシです。
必要に応じて裏側をマスキングし、十分に脱脂したら本塗り開始です。
予め作製しておいたテストピースと見比べながら色を重ねていきます。
色板(テストピース)のイメージに近く出来たと思います。
パッと見は普通のグリーンのメタリックですが、良く見るとカーボン目が!と言う変則的なキャンディーカラー塗装です。
ワンミスで取返しの付かない事態(剥離~再下地処理)となるので、こういう塗装はお受付しないのが普通だと思います。
ちなみにこちらのオーナー様はこの時のご依頼より以前にも色々とご依頼を頂いていました。
こちらはワタナベのマグネシウムホイールで、ご指定の幅でイエローのラインを入れ、全体に半艶クリアーを塗装しています。
色褪せてしまったレンズなども透過性の塗装(キャンディーカラー)でご依頼頂いていたりもしました。
メッキっぽい感じの高輝度メタリックの塗装でご依頼なども頂いていました。
その他ヘッドカバーの結晶塗装や、レンジローバーでもお世話になったのですが、その辺りになると相当昔なのでもう画像が見つかりませんでした(笑)。