LOTUS樹脂製エンジンカバー 結晶塗装 完成

lotus76 こちらも大変お待たせしました!ロータスエリーゼ用のインテークカバー&プラグカバーの結晶塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

lotus15素材は樹脂製で、そのまま塗っても剥がれてしまいますので結晶塗装の前にはサンドブラストで足付け処理をし、プラスチックプライマーも塗布しています。

lotus77 プラスチックパーツは素材によって結晶塗装では対応出来ない物もありますが、当サイトで紹介している施工済み案件の物であれば基本的に対応可能です。

lotus79 通常樹脂製部品への結晶塗装では凸文字部の表現が難しく、この型の部品では最後にシルバーを筆塗りと言う方法で対応していましたが、今回は樹脂を流し込んでマスク型を作り、凸文字部をスプレー塗装で仕上げたので非常に良い質感で仕上げられたと思います。

マスク型は社外記で紹介しています↓

LOTUS樹脂製エンジンカバー 凸文字用塗装マスク作製

lotus81 右端にあるロゴの内側のみ筆塗りで対応していますが、線自体が細いので殆ど違和感も感じないと思います。

lotus80黒い素地のままだとどうしてもプラスチック感が否めませんが、結晶塗装と高輝度メタリックの組み合わせで華やかさと重厚感が出せたのでは無いでしょうか。初めて見る人は金属製だと思ってしまうかも知れませんね。

それでは後程完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ロードスター&ロータス結晶塗装 凸部面研磨塗装

road196 先日結晶塗装の本塗りを終えていたロードスターのヘッドカバーです。

こちらはアルミ素材なのでいつものように凸文字部を研磨して金属素地を露出して光らせ、さらに腐食の進行を抑制する為にクリアーを筆で塗っておきます。

lotus70 そしてこちらはロータスエリーゼ用のプラグカバーです。ロードスターのヘッドカバーと同じく凸文字部を面研しましたがこちらは樹脂素材なので黒くなるだけです。

いつもはここにシルバーを筆で塗っていましたが(勿論プラスチックプライマーも筆で)、さすがにそれを食み出ないように塗るのは大変ですし、そこまで苦労しても刷毛目が残ってしまうのはどうも気に入らない・・・。

と言う事で、今回はいつもと違う事を試してみました。

lotus29詳しくはこちらの社外記で紹介していますが、今回は凸文字の天面のみを塗る為のマスク型を作成してみました。

lotus71 ただそう上手く行く訳もありませんので、とりあえずこんな感じでそれぞれを分割して塗っていきます。まずはプラスチックプライマーを塗布します。

lotus72こんな感じでシルバー塗装完了です。

画像だと一度に塗ったような感じですが、実際は浮き上がった個所を指やピンセットで抑えながら一文字ずつ塗っていきます。食み出して良いよいにマスク型の下にはあらゆる個所にマスキングテープも貼ってあります。

lotus73 小さい文字も同じように一文字ずつ塗っていきます。Aの中の三角はスプレーガンのエアーで飛んでいったりしてしまうのでピンセットで抑えて塗っています。PやRやOも同じです。

lotus74 ここまではマスク型を使用してスプレーガンでシルバーを塗り、右側に残るLOTUSのロゴマークの内側だけは筆で塗りました。

lotus75実際はかなり時間が掛かりましたが、樹脂製パーツの凸文字としては今までで一番綺麗に仕上がったと思います。

プラモデルとかで塗装をした事がある方は判ると思いますが、メタリックカラー、特にシルバーは筆で塗っても綺麗に仕上がる筈は無いので、どうにかしてここをスプレーガンで塗りたかったのです。

また今回新たに使用したSTX原色の組み合わせも非常に良くて、塗装屋さんなら画像を見れば今までのシルバーとは違うのは判ると思います。念の為ですが素地の黒は完全隠ぺいしています(つまりは下に黒を塗らなくても十分と言う事です)。

どちらのパーツもあと数日寝かして、来週早々には完成出来る予定です。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

LOTUS樹脂製エンジンカバー 結晶塗装 本塗り

lotus44 先日凸文字用のマスク型を作成しておいたロータスエリーゼ用のインテークカバー&プラグカバーです。

その後アルカリ洗浄液槽に浸け置きして油分を洗浄し、サンドブラストで足付け処理をしておきました。

lotus45 通常樹脂パーツに粗目のアルミナ粒子をブラストすると表面が荒れて大変な事になりますが、塗料の密着が悪いPA(ポリアミド)樹脂で、尚且つ塗膜へのストレスが高いエンジンルーム内での使用を想定するとこれくらいやっておいた方が確実です。凸文字の隙間を手掛けでペーパーを当てるよりもこの方だ断然早いですしね。

lotus46 その後よく洗浄し、十分に乾燥させたらプラスチックプライマーを塗って本塗り開始です。

lotus48 結晶塗装の赤を塗り、140℃程の熱を掛けて結晶目を出します。

lotus49ちなみに結晶塗装の場合最初は赤外線パネルヒーターで熱を掛けますが、その後カリっと焼き上げたいのでさらに乾燥炉で熱を掛けます。

lotus47結晶目は塗膜の厚みや熱を入れるタイミングなどによって仕上がりが変わるので、最初は赤外線ヒーターで結晶目が変化する様子を見ながら調整し、しっかり結晶目が出きったら乾燥炉の中に入れて焼き切るといった二段構えで今は対応しています。

この後数日寝かしたら凸部を面研し、先日作成した型枠を使って凸部をシルバーに塗る予定ですが、もし型枠&スプレーの方法が上手く行かなそうならいつも通り筆で塗って対応します。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!

LOTUS SUPER7 Carbon parts

seven37 以前ご依頼頂いたロータススーパーセブン用のプリプレグカーボン製(ドライカーボン)の外装パーツ一式です。

seven38 最初にご相談を頂いたのはこの時から一年くらい前で、プリプレグカーボンの成型品そのままの状態だと非常に塗装のコストが上がってしまうので、一旦専門のショップさんにてこの状態にまで仕上げて頂きました。恐らくはUV硬化型のポリエステル樹脂と思われます。

seven39 こちらがプリプレぐカーボンの最初の状態で、これを艶々にするまでの作業も実際に当店で試してはいました。

seven40 当然ですが一度のクリアー塗装では繊維の凸凹はそのまま残ります。

seven41 1工程でクリアーを数コート(恐らくは4コート程)塗布し、一旦熱を掛けて完全硬化させます。

seven42 その後ペーパーを掛けてある程度平滑に均し、さらにクリアーを塗ります。

seven43 確かこれらを7工程繰り返してようやくこの状態になりました。

seven44 色に関してはこちらのグリーンメタリック(色はメルセデスのカラーコード6836)をご指定されまして、さらにですが、下地のカーボン繊維目を残して欲しい(!)と言うかなり特殊なご依頼でした。

seven45 クリアーの下塗りで艶々にしたプリプレぐカーボンに、先ほどのグリーンメタリックを下地が透けるように塗っています。

seven46 色はそのままだと簡単に下地を隠ぺいしてしまうので、バインダー(樹脂)を増やして塗料中の顔料含有量を減らし、さらにコート数を変える事で色味(カーボン地の透け方)を調整しています。

これらのテストピース作製を経て、それから約一年後に最初に紹介したパーツ一式が搬入されたと言う流れです。

seven47 下地は出来ているので、後は表面を研磨して足付け処理をするのみとなります。

seven49 場所によってはタレなどもありますので、その辺も一緒に処理しておきます。穴が開いているよりかはこの方が全然マシです。

seven48 こんな感じで下準備完了です。

seven50 必要に応じて裏側をマスキングし、十分に脱脂したら本塗り開始です。

seven51 予め作製しておいたテストピースと見比べながら色を重ねていきます。

seven53クリアーまで塗り終わりました。

seven52色板(テストピース)のイメージに近く出来たと思います。

seven54 その後磨き処理を経て、

seven58seven57 完成です。

seven55 パッと見は普通のグリーンのメタリックですが、良く見るとカーボン目が!と言う変則的なキャンディーカラー塗装です。

seven56 ワンミスで取返しの付かない事態(剥離~再下地処理)となるので、こういう塗装はお受付しないのが普通だと思います。

seven15 ちなみにこちらのオーナー様はこの時のご依頼より以前にも色々とご依頼を頂いていました。

こちらはワタナベのマグネシウムホイールで、ご指定の幅でイエローのラインを入れ、全体に半艶クリアーを塗装しています。

seven16 色褪せてしまったレンズなども透過性の塗装(キャンディーカラー)でご依頼頂いていたりもしました。

seven18 足回りのロッドエンドなどは元々黒かったパーツを、

seven17メッキっぽい感じの高輝度メタリックの塗装でご依頼なども頂いていました。

その他ヘッドカバーの結晶塗装や、レンジローバーでもお世話になったのですが、その辺りになると相当昔なのでもう画像が見つかりませんでした(笑)。

LOTUS樹脂製エンジンカバー 結晶塗装承ってます

lotus15 先日到着しておりましたロータスエリーゼ用のインテークカバー&プラグカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容は「結晶塗装の赤」で、凸文字部分は最後に面研してシルバーを筆塗りして仕上げる予定です。以前の施行例がありますのでそちらの画像を紹介致しますね。

lotus17下地処理としてサンドブラストを掛けてプライマーを塗布し、結晶塗装の赤を塗って最後に凸文字部分を研磨してシルバーを筆で塗って表現しています。今回で5回目くらいでしょうか。

lotus14通常素材がアルミであれば塗装後に凸部を削って光らせる事が出来るのですが、樹脂パーツの場合はそれが出来ないのでシルバーを塗るしかありません。

lotus12 別の型ですが、他にも同じように仕上げているエンジンカバーもあります。

lotus94また中には既存の凸文字を削り落とし、新たに型から鋳造して作成した凸文字を取り付けた事例もあります。

lotus7他には結晶塗装ではありませんが、「ポリッシュしたアルミを毎回磨くのは大変」と言う事でアルミ風の塗装でご依頼頂いた案件もあります。これなら文字を面研する必要が無いと言う(笑)。

ちなみにこの塗料はSTANDOXのプラッティングシルバーで、もしかしたらその塗料はもう廃盤になっているかも知れませんが、新たにそれっぽい新色が出たので現在発注済みです。マツダの新色、マシーングレープレミアムメタリック(カラーコード:46G」に使われる原色らしく、私的には楽しみなのですが、車の塗装屋さんにとっては地獄と言うか戦々恐々でしょうね(ドア一枚の為に側面ボカシとかでしょうか・・・)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!