当店にしては珍しく体物保険修理でのご依頼となったRALEIGHのクロモリっぽいマンガンモリブデン鋼(多分)のフレームです。
運搬中の固定か何かでシートチューブが傷だらけとなっていました。
傷付いた箇所は塗装では無くデカールが貼られていて、これには細かい文字も含まれている為に当店での対応出来なく、ただオーナー様的にはロゴは無くなっても構わないと言う事でご依頼承りました。
傷の部分は下地からやり直しますが、その他の箇所についてはクリアー塗装のみとなるので、無用な傷が増えないよう養生して作業を行います。
傷のあった箇所は事故が起きてから結構な年月が経っていたらしく、根深く錆びが浸食していたのでサンドブラスト処理も行いました。
錆びはそれ自体に水分を抱え込むので根こそぎ削り落とす必要があります。
プライマーを塗布し、サフェーサーを塗ったら熱を掛けて硬化させます。
サフェーサーを塗った箇所を平滑に研ぎ、フレーム全体に足付け処理を行います。
各部をマスキングし、良く脱脂を行ったらまずはベースクリアーを塗布します。
デカールの貼ってある箇所をマスキングし、ベースコートの黒を塗布します。
ベースコートの黒を塗り終えたら養生を剥がし、クリアーを塗って本塗り完了です。
クリアーを塗る箇所にも必ず足付け処理は必要で、10年くらいして表面のクリアーだけがペリペリと剥がれてくるのは足付け処理をしていないのが原因です(私のTREKも同様の事が起きています…)。
この辺の細かい文字は塗装では再現が難しいので色を塗らずクリアー塗装のみで済むようにしました。
同様にこれらのロゴなども色は飛ばないようにしてクリアーのみの塗装としてます。足付け処理をしているので後で剥がれたりもしません。
ただこの時はご依頼内容が特殊で、どのケースでもこの方法で対応出来るとは限りません。傷や汚れがあればそのままクリアーを塗るわけにはいきませんので基本的に新車のみの対応とお考え頂ければと思います(この時は保険修理で、且つ代替品が無いと言う事での対応となりました)。