スバルBRZの純正内装部品です。艶消し黒の塗装でご依頼を承りました。
メータークラスターはPP(ポリプロピレン)製の未塗装品で、表面はザラザラとした梨地となっています。
インパネはてっきりカーボン柄の成型品かと思いきや、プラスチックの上にカーボン調のシートが貼ってあります。
カーボン調のシートは裏側に回り込んで貼られている為、その上に被さっている枠を外します。
ドライヤーなど色々試してみましたが端が千切れて上手く剥がせない為、思い切ってサンダーで削り落とす事にしました。
カーボンシートを残さず剥がしたらダブルアクションサンダーで素地を均します。
最終番手を#180で整えたらシリコンオフを使って脱脂清掃し、プラスチックプライマーを塗布します。
メータークラスターは表面がザラザラとした梨地で、これにそのまま上塗りをしても美しい仕上がりにはならない為、まずは平滑な下地を作ります。全体を#120~#180のペーパーで研磨し、
ペーパーが当たり難い箇所にはスコッチブライトやナイロンブラシ、ウォッシュコンパウンド(液状の研磨材)を使い、隅までしっかり足付け処理を行います。
こちらも良く脱脂清掃し、爪部分をマスキングして台にセットします。
さらに念を入れて、足付け処理のし難いボルト穴周りやスイッチ部の断面部分、裏に回り込んだ箇所などにガスプライマーを使って火炎処理を行っておきます。
その後60℃40分程の熱を掛けて硬化させ、さらに数日寝かしました。
砥ぎ作業の前にガイドコートとして全体に黒をスプレーしておきます。
最初は固い当て板を使い、#320~#400で平滑なラインを研ぎ出します。
メータークラスターも同じように全体を平滑にするよう研ぎ出し、
一番最初に外しておいた枠を取り付けておきます。元々溶着で着いていた為、同じようにABS樹脂で溶接しておきます。 良く脱脂清掃し、本塗の準備を行います。
今回は艶消し仕上げの為に塗装後の磨き処理が出来ませんから、ゴミが着かないよう目立つ被塗面を地面に対して垂直にし、また高い位置で固定出来るようにしました。
まずはベースコートを塗布します。
この状態でも艶消し仕上げにはなりますが、強度(耐久性)が無いので、
クリアーは艶消し仕上げ専用の物で、強度としては艶あり仕上げと変わりありません。自動車車体の塗膜と同等の物となります。
その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、さらに数日寝かしたら完成となります。
下地をしっかりと整えた事と、上塗りもウェットに塗り込んだ事で、傷の付き難いツルンとした美しい艶消し仕上げになっているかと思います。
同じ色(黒)でも、艶具合によってその仕上がりは大きく変わります。上記の記事では艶消し・半艶・艶ありの仕上がりをそれぞれ紹介していますので、艶具合でお悩みの方はご参考にしてみて頂ければと思います。