NISSAN LY28 Engine cover

ly 日産のLY28エンジンのヘッドカバーです。詳しくは判りませんが、フェアレディ240Zのワークスマシンなどに搭載されていたエンジンらしいです。

ly0 現状は朱色のような結晶塗装が施されていますが、下地のプライマーが塗られていないようで全体的に塗装が剥がれて来ています。

ly1 数日間溶剤槽に浸け置きして塗膜を剥がしました。尚、素材はマグネシウム合金と思われます。

ly2 塗膜の下にあったマグネシウムは素地が酸化していたので、表面にサンドブラストを掛けて酸化した被膜を削り落とします。

ly3 その後突起したバリをサンダーで削り落とし、全体を綺麗なシンナーで洗い流すようにしてよく洗浄しておきます。

ly4 マグネシウム合金はアルミに比べて酸化(腐食)が再発する可能性が高いので、使用するプライマーは防蝕性の高い浸透型エポキシプライマーを使い、しっかりと塗り込んで重防錆仕様とします。

一旦ここで熱を掛けて塗膜を硬化させます。

ly5 その後結晶塗装を行い、再び熱を掛けて本塗り完了です。

ly6 色はいつもの鮮やかな赤では無く「日産系のドス黒い赤」で、以前施工したS20のヘッドカバーを参考にご指定を頂きました。

ly7また今回は色の比較として色見本も作っておく事にしました。こちらは既に完成しておりまして、社外記の方で紹介しておりますので宜しければご参照下さい。

ly9 その後凸部を面研し、露出したマグネシウム素地には腐食の進行を遅らせる為にクリアーを筆で塗って硬化したら完成です。

ly10 ly11 ly12  凸部の面研は#80から始め、徐々に番手を上げて細かくして最後は#800で仕上げています。ポリッシュしたような鏡面では無くヘアーライン仕上げのような感じですが、極力エッジを立たせてシャープな仕上がりになるよう心掛けています。

ly13クリアーの筆塗りはサービスで行っております。ご指定が無い場合は行わない事がありますので(フェラーリなどは純正の状態を尊重して敢えて塗りません)、ご希望の方はご依頼時にご指定頂ければと思います。折角光らせた素地が曇ってしまうのは私的にも忍びないと思いますのでお気軽にご用命下さいませ。

ly14 結晶塗装は焼き具合で色が変わってしまい厳密な色の再現が出来ませんので、誤解を招かないよう色見本のお貸出しはしておりません。何卒ご理解下さいませ。