こちらのオーナー様からは以前にも同型のヘッドカバーをご依頼頂いていましたが、今回はその時とは違う色と、また凹み文字を凸文字にする加工を承りました。
上段の「DOHC 16-VALVE」については凹み文字を埋めてフラットにし、下段の「MAZDA」の部分を凸文字に改造します。
数日間アルカリ洗浄液に浸け置きして全体の油分を除去し、サンドブラストを掛けます。
リン酸処理を行い、凹み文字の周りを削って一段低くしておきます。
主剤にポリメタクリル酸メチルを使い、密着性と超軽量を両立させたパテです。とても高く、硬化後は研ぎ難いので余り多用はされません。
続けてエポキシ接着剤で巣穴を埋めます。こちらは3Mのパネルボンドですね。
凹み文字を石刷りの方法でトレースした物を、
スキャナーで読み込んでIllustratorなるソフトでベクトルデータを作製し、
綺麗に出来ているように見えますが、仕事で使うとなるとちょっとした巣も気になる為、
何度も試行錯誤し、巣が出来易い箇所に湯道を作る事でそれも解消しました。
クロスバイスとボール盤を使って簡易的なフライス加工のようにして表面を削ります。
取り付ける箇所は曲面になっているので文字を研磨して形を合わせ、
指定の位置に貼り付けます。食み出した余分はカッターの刃で削り落とします。
今回は日産風のドス黒い赤をベースにパウダーパールを入れてアクセントを加えます。
しつこいですが、まさかこの凸文字が手作りだとは誰も判らないと思います。
継ぎ目も隙間無く、またチヂレ目も綺麗にに並んでいると思います。