久しぶりのテスタロッサ

testa_1ここの所はブレーキ屋さんが足回り関係を弄っていたようで(車庫入れの際にノーズを擦らないようにする為の車高調整キットでしたっけ)、ボディワークの方は長らく休眠状態でした。今年始めの頃は「今年には完成かも」なんて思っていたのは何かの勘違いだったようです(まあレストアはそんな事が普通で、やればやる程やる事が増えると言うのが一般的ですのでこれは仕方が無いかと)。

ちなみに上の画像は以前使った画像で、クォーターパネルの一部にアルミの板が溶接されていますが、これは以前事故で修理された箇所を下に引っ張る為にくっつけたものです。これにクランプを固定して入力された反対側に引っ張る事でボディを修整する訳ですが、それも限界だったようで本日進行中の修理ではこの部分をカット交換して対応していました。元々の直し方が変だったせいで余計に色々仕事が増えているように思えます。ちなみにパネルに空いた穴はやはり以前の修理でこれにスライディングハンマーの先端を入れる為に開けられたのだと思います。中々のパワープレイぶりが伺えます。

testa_4そしてカットされたクォーターパネル下側の箇所です。板金ではプレスラインの修整が重要な筈ですから、あのままではもうどうにもならなかったのでいっその事カットしてしまった、と言う感じでしょうか。

testa_2そして新たに用意したアルミ製のアングル素材を溶接しています。どこかで見た光景だと思ったらこんな顔をした人がBUMP OF CHICKEN「天体観測」スペシャルMVの画中に出ていましたのを思い出しました(いや全然違いますか)。

testa_3先週の土曜日から昨日の火曜日までは移転先の工場に入り込んでいたので実は今回の修理は殆ど見ていませんでした。さらに私は今月でTACさんの工場から出て行く予定なので、こちらのテスタロッサの紹介は今月限りで終わりとなるのですが、まあちょくちょく顔は出しに行くと思いますので作業が進行していて機会があれば撮影をしておこうと思います。さすがに一眼レフを持っていく事は無いと思いますが、普段はSIGMA DP1を持ち歩く癖がついたので撮影は続けられると思います。

私が居るうちにまだ作業は進行しそうなので、また進展ありましたら撮っておきますね。

 

これもお仕事

mini16以前マスキングした姿を一枚だけ掲載しましたが、一応全体の画像が残っていたので改めて紹介したいと思います。と言うか最近荷物の搬入と高めの降水確率の為に通勤で全く自転車に乗れていなく紹介する画像が無いだけですが。

「ROVER MINIをシマウマ柄にする」といった塗装は私の趣味でやった訳では無く、本当に普通にお仕事のご依頼でした。当時は自動車の塗装屋でしたがカスタム塗装が得意と言う訳でもなく、単にいつもご贔屓頂いていたMINIのショップさんのお客さんが「シマウマ柄にしたい!」と言う事で私の所にお鉢が回ってきたのです。やってはいけない仕事の一例として良い勉強になりました(笑)。いや勿論良い意味でです。

そもそも「シマウマ柄」と言っても単に縦縞の白黒にすれば良いのでは無く、やはりそれらしく見えるようにとまずはシマウマの勉強から始めました。どうもシマウマにも何種類かいるようで、その辺はやり易いようにこちらで勝手にデフォルメする事にしました。と言ってもこれがまた大変な作業でしたが・・・。

mini17そもそも車体をシマウマの体に見立てると言うのに無理がある気がしましたが、実際にラフ画を描いてみると意外にしっくりきそうだと言う事に気付きました。特にヒップ周りなんか、MINIとシマウマでは随分と形が似ているようです(壊)。

ちなみに私の記憶が正しければ、「サファリパークからそのまま出てきちゃったような感じで」といったご意向だったと思います。いやこれが公道を走っていれば誰もが間違いなくそう思う筈ですよ(笑)。

mini18元になる車両は至って普通のMINIで、元々オーナー様の車両がこれだったのかはちょっと覚えていません。もしかしたらこの時の為にベース車両を用意したのかも知れません。元々は「アーモンドグリーン」だったので、ドアの内側なども白に塗り直していますが、それぞれの部品を外した状態でシマウマ柄の模様を繋げるのは至難の技(と言うか業)なので裏吹きを先に終わらせておいて組み付けた状態でマスキング~本塗りとなります。フロントパネルは表側も塗ってあるのでもしかしたら新品に交換していたかも知れません(事故或いは錆修理の為)。

mini19で、まずはベースとなる白を塗ります。黒に塗ってから柄を抜く方が簡単だったと思いますが隠ぺい力の差を考えると「白→黒」の順番がセオリーですかね。塗膜が厚くなると仕上がりが悪くなるので(見切りラインがガタガタに)り白から塗るのがやはり正解だと思います。

mini20先日は前からの姿だったので後ろからの画像にしてみました。私の記憶が正しければ朝から塗り始めてマスキングを終えたこの時点で日付が変わっていたと思います。こんな事をやっていたら命が幾つあっても足りませんよ・・・。

mini14そして黒のベースコートを塗布します。マスキングされた部分に黒が全部塗られていないと言う事は、この頃から「ブツ切りマスキング部のスプレー方向」には気をつけていたようですね。車体全体にそのまま黒を塗るような事をすると色の境界線の段差が激しくなってしまいたちまち仕上がりが悪くなってしまうのです。

mini15マスキングを全て剥がしたらクリアーを塗って本塗り完了です。

組み付けも終えて最後は自走で納車したのですが、周りの視線はやはり熱い物がありました。後続車両も異様に車間距離を空けていたのは何かあったらとんでも無い事に巻き込まれると察してくれたのでしょうね。とてもじゃ無いですがこれを塗り直すなんて事は当初より考えていませんので・・・。

ちなみに先ほどネット上に画像が落ちていないかと調べてみましたが、これと同じ様な事をBMW MINIでもやっていたようですね。ただ流石に塗装でシマウマにする勇気は無かったようで(笑)、そちらはラッピングでの施工となっていたようですが。まるで気合が足りていませんが実際はそちらが正解かも知れません。こちらはそう簡単には元に戻せませんので・・・。

 

色合わせ一例

lambo仕事でよくある問い合わせで、自転車の一部分を傷つけてしまい「そこだけ元に戻せないか」といった内容の事がありますが、出来ない事は無いですが大抵の場合その費用は大きくなってしまいます。1ミリの傷でも4万~5万円掛かるのが普通だったりするのです(ロゴが絡むとさらに膨大になります)。

対して「好きな色に塗り直したい」という事であれば剥離無しなら2万円でも可能だったりします。これは塗る範囲はこっちの方が数倍大きかったとしても手間と時間と苦労度としては前者の方が数倍大変だからで、そもそも工賃の算出方法が「㎡」では無く「時間工賃」なので当然の事なんですけどね。

上の画像は以前一時期勤めていた会社で行った仕事の一例で、フロントバンパーがFRP製でこの時ボディ同色に塗ったのですが、実はボンネットも一枚塗っていたりします。ボンネットには傷一つありませんでしたがフロントバンパーとの色違いを無くす為にそちらにもベースコート(3コートグリーンパール)をボカしているのです。ベースコートはボンネット全体に塗装している訳では無くヘッドライト辺りのラインでボカし、クリアーはボンネット一枚塗っています。実際に記憶している訳ではありませんが塗装屋ならこれがセオリーです。序でに言うとボカシ際はボンネットの緩やかなラインに沿わせて山なりな感じでボカしている筈です。横一線でボカすよりも人間の目の錯覚を利用したボカし方ですね。ちなみに使った色は勿論配合データそのままと言う訳では無く、恐らく一日掛かりで調色したようなものです。

なのでこういった塗装ではこのバンパーの塗装費用にボンネットの塗装分も含まれていたりします(実際どうなのかは知りませんが)。ちなみにディーラーに勤めていた時に非常に色に細かいオーナーさんの、やはりバンパー交換の際にはボンネットに加えて左右のフロントフェンダーも同じ様にボカしました。バンパーを交換しただけで塗装部位は4部品、総額は50万円くらいの見積もりだったと思います。ちょっとあり得無い気もしますがそれも一つの方法(対処法)ではあるのです。作業者のレベルが低いと言われればそうかも知れませんが、100%同じ色を作れない以上、バンパーに隣接するパネルどれもと同じ色に見せる為にはこの方法しか無かったと思います。

塗装の場合には「フリップフロップ性」といって、一方向からだけでは無く全方向からの見た目の違いがあり、さらにこの車体色は下色のグリーンの上に透過性のパールコートが塗られた「3コートパール」の色で、下色(ベースカラー)とその上に塗るパールカラーのどちらも色を完全に合わせ、さらに透過するパールカラーを完全に同じ膜厚で塗るという神業を持ってしてようやく同じ色に出来る訳ですが、顔料自体が見る方向によって色が変わるものをさらに他の顔料と混ぜ合わせて全ての角度で同じ色にするなんて到底無理ですよ・・・。

ただそこまでの作業(費用)を行う意味があるかどうかの判断は難しく、本来であればユーザーのこの判断に委ねられる訳ですがどの程度色が違うのかどうかを説明するのは非常に難儀ですし(出来た物を見せない限り不可能かと・・・)、その責任を素人に押し付けると言うのもちょっと問題かと思うのです。

という事で、「補修」(修理または復元)といった塗装作業は非常に難しく、「1ミリの傷にその金額はどういう事だ」と思われそうですがこんな事もあって費用は高くなってしまうのです。特に自転車の色の場合には「配合データ」がメーカーから供給されている訳では無いので一から自分で作らなければなりませんから自動車のボディカラー以上に大変だったりするのです。さらに言うとこの「調色」は塗装作業の極一部の事でこの他にも大変な作業は沢山あるのです。

ちなみに自動車のボディカラーは近年の物であれば配合データが無いなんて事は殆どありません。ただしカラーコードが車体のどこに記載されているのか発見出来ない・・・なんて事は時々ありました。ご苦労お察しいたします(笑。私は車の塗装は引退しましたので)。

メンテナンス日

cab最近は降水確率が高めの日が多い為、自転車では無くこちらのカブでの出動率が高くなっています。

で、そう言えば最後にオイルを交換したのはいつだろうと思い、帰宅してから早速換えてあげる事にしました。オイルはペール缶で買い置きしてあるのと、廃油用の空缶も用意してあるので一応自宅でも作業出来るようになっています。

cab_1通勤は自転車と併用なのでそんなに距離を走っている訳では無いのですが、交換する度にオイルはいつも真っ黒です。運転する人間の心の汚れも影響しているんですかね・・・(苦)。

今は自転車とこのカブのお陰で通勤コストは異様に低い値になっていて、カブは1リッターで38キロ走ってくれますし、最近は車は余程の事が無いと使いませんから一ヶ月で¥2,000~¥3,000くらいで済んでいると思います。ちなみに距離は往復で21キロです(最短距離で寄り道をしなければですが)。

以前車メインで通勤していた時は工場の側に車庫も借りていたので合計すると2万5千円くらいのコストでしたから、当時に比べるとまさに10分の1で済んでいるのです。凄いですよね。

ただ安全と言う面ではやはり自転車やバイクは体が剥き出しなので結構怖いところがあります。先日も一時停止を忘れたゴミ収集車が横から飛び出して来まして、あと一秒早く出ていたら完全に轢かれていたと思います。あの重量車に撥ねられたら到底無事では済まなかったんじゃ無いかと思いつつ、公共車なのでその後の補償は相当手厚いかったのではとちょっと横縞な考えもありましたが(だからオイルが真っ黒だったのですか・・・)。