通常マスキングシートを作る場合はカッティングプロッターを使ってカットしますが、余りにも細かい形はカッターの刃では限界があり、上手く切れなかったりシートを剥がして浮き上がらせてしまったりします。比較的簡単なローマ字でも5ミリくらいが限界ですよね。
そこでこれを、物理的には刃が接触しないレーザー加工機ならばもっと細かいカットが可能なのでは?と言う事で(相談を受けまして)、少し前から検証していました。
ただ問題は「台紙をどうするか」と言う事で、カッティングプロッターなら刃の調整次第で「台紙は切らずシートだけをカットする」と言う事が可能ですが、うちにあるレーザー加工機では微妙な調整が難しく、台紙ごと焼き切ってしまってうまくいきません。
そこで試してみたのが上の画像の「タイルにマスキングテープを貼ってレーザーカット」する事で、これならカットしたマスキングシートは飛んではいかないのですが、ただタイルに張ったマスキングテープを剥がすのが難点です。細かくカットしたパーツは剥がず時に型が崩れてしまったり切れてしまったりするので、剝がし易くないと駄目なんですよね。予めワックスでも塗っておけば剥がし易いでしょうが、塗装する物に使うのが前提ではそんな事は出来ませんし。
と言う事で今回新たに試してみたのがこれです。
まずタイルの上に両面テープを貼り、その上に糊が付かない台紙(クロネコヤマトの発送伝票の時に捨てている台紙です)を貼り、さらにその上にマスキングテープを貼りました。これなら丁度良い粘着具合になるので、小さい物をカットした後でも綺麗に剥がせるだろうという作戦です。最近何だかこういう仮説と検証を行うのが楽しくて仕方ありません。
で、新たに用意したデータがこちらの雪印のロゴマークもどきです。
左のが15ミリサイズで、右が10ミリサイズです。出力は9%、速度は秒速10ミリで丁度良い感じです。
こちらが15ミリです。良い感じじゃないですか・・・(惚)。
そしてこちらが10ミリです。さすがにこのサイズをカッティングプロッターじゃ難しいですが、レーザーなら綺麗にカット出来ています。
ちなみに一部ゲジゲジが小さい箇所がありますが、恐らくこれはデータ上に残したままだったパスを拾ってしまっている為だと思います。この辺が中華製レーザーのソフト面の弱い所で、時々微妙な原因不明のエラーが出たりするのです。まあでもこれはパスを消せばよいだけですし、多少の問題は了承済みなのでその辺は問題ありません(と言うか解決出来た時の喜びもありますしね)。
そしてこちらは7ミリ幅です。拡大するとマスキングテープの粗が判る程ですが、ちゃんとカットされているのが判ると思います。
本当はさらにカット速度を落とせば精密な動きに出来ると思うのですが、そうなるとレーザーの威力が強くなってしまい、かといってこれ以上出力を低くするとレーザーの出力が安定しないので一応これが仕上がり品質の限界と考えています。勿論サイズを小さくするのはまだまだ大丈夫です。
ちなみにいつものマスキングシート(緑色の)では無くわざわざマスキングテープを使っているのはこの方が「コシ」が無いからで、これならプレスライン上に貼っても端が浮き上がらず綺麗に貼る事が出来ます。良い感じに出来たと思います。
今回の検証がもう少し早ければ、今仕事で行っている自転車フレームの塗装に入れるロゴのマスキングにも応用出来たのですが(ありえない程細かい形状のロゴでして・・・)、ただ予想以上に上手く行く事が確認出来ましたからきっと今後の仕事にも十分役に立つと思います。
レーザー加工機、本当にポテンシャル高過ぎですよ・・・!