今回は先日紹介した「間借り」についての続きを予定していましたが、ちょっと脱線して今回は「仕事の意味」みたいな事について紹介しようかと思います。「番外編」みたいな感じですかね。小物の塗装屋になる事とは直接関係無い事ですが、私には結構大事な事でしたので。
実は私は昔から働く事が好きでは無くて(そ、そうなんです)、アルバイトをしていた頃から余り長続きした職種は無かったのですが、塗装の仕事をするようになって、さらに独立してからはそう言う考え自体が無くなったと思います。多分働くのが嫌いだったのでは無く「遣り甲斐」みたいなのを見付けられなかったのだと思います。
しかし今では「どうやったら人生の終焉まで働き続けることが出来るか!」とさえ考えるようになったので、今の塗装の仕事を見つけられたのは相当ラッキーだったんだなと思いますよ。
さらに独立してからはB to B(企業間の商取引)では無く、一般ユーザーから直接依頼を受けるB to Cを目指すことにしました。単に下請け的な仕事では無くそういった形態の方が絶対に仕事は楽しいですし、モティベーションも維持され易いですから、これのお陰で勤めていた時にずっと感じていた「やらされている感」と言うのは全く無くなったと思います。
昔は会社や上司に対する愚痴みたいなのも当然ありましたが、今ではそう言うのは一切なくなりましたからね~(と言うか愚痴る対象が居ないと言うだけといかも知れませんが・・・苦笑)。
そして現在行っている「小物の塗装」ですが、これは基本的には車を塗っていた頃と余り変わらないのですが、ただ仕事の殆どは事故車を直すような事では無く「趣味の世界」の事なので、マイナス的な事では無くプラス的な要素が強いお陰か比較的楽しんで仕事が出来ていると思います。ただプレッシャーの掛かり方は以前より増している気がしますけど(怖)。
この時御依頼頂いたCASIOのG-SHOCKは非常に柔らかい素材で、塗り方としてはフルフレキシブル仕様(軟化仕様)の塗装で対応しましたが、こういった技術は特段特殊な事では無く、一般的な自動車塗装屋さんなら誰でも出来る事です。ちゃんとマニュアルにも書いてあります。
ただやった事が無い事に関しては、何かあった時のリスクを考えると手を出さないのが賢明な筈で、ただ「他に引き受けてくれる所が見つからない」と言われたらついやってあげたくなるのが普通ですよね。当然失敗して凹む事もありますが、上手くいった時の達成感は半端無いので、手先の器用さに自信があるなら小物の塗装は是非お勧めの職種だと思います。(と言いつつ罠に嵌める感じで。笑)。
こちらは先日御依頼頂いてお納めしたBMWの内装スイッチで、完成して届いたその日にオーナー様からご連絡を頂き「まるで製品そのままで、これが塗った物だなんて全く判らないですよ!」とお喜びの言葉も頂戴しました。そうなんですよ!やっている事は塗装なのですが、「塗ったとは思えない」と言う事こそが一番理想的な事なので、こういった言葉を直接聞けるのが今の仕事をしていて本当に有り難い事だと思います(勿論そうでは無い事もあると思いますが)。
ちなみに私の場合は独立してからは労働時間が長く、休日も人よりは少なくなったと思いますが、それらは決して縛られていると言う感覚は無く、むしろ自分のやりたい事が出来た充実した時間になっていると思います。勿論少し強がり的な所はありますが(笑)。
しかし一生の内に仕事が占める割合は大体3分の1くらいだと思いますので、それだったら嫌な事をやるよりも少しでも好きな事が出来れば絶対楽しい人生になると思うんですよね。しかもそれが人に喜んで貰える事であればこれ以上の事は無いですよ!と思う次第なのです。って、まあそれはちょっと言い過ぎかも知れませんが(笑)。
と言う事で、次回は再び 「間借りのメリット」か、または仕事の取り方(営業方法)を紹介したいと思います。